開催待ちが続く反響のなかパラモトライダーの輩出は続く
世界のGPシーンで大活躍した伝説のレーシングライダー青木三兄弟。その次男である青木拓磨選手は昨年ル・マン24時間レースに参戦するなど、大活躍を見せている。その青木三兄弟の長男・青木宣篤選手と三男・治親選手のふたりが立ち上げたのが、一般社団法人サイドスタンドプロジェクト(SSP)だ。そんな拓磨選手と同じように、事故などで身体に障がいを抱えてしまってオートバイを諦めた人に、ふたたびオートバイに乗る機会を設け、また一緒にオートバイを楽しめるように2020年から「パラモトライダー体験走行会」を企画し開催。すでに多くの障がい者にバイクに乗る喜びはもちろん、新たな希望や目標を提供している。
今回は5名のパラモトライダーが参加
安全のため夏季および冬季のハイシーズン期間は開催しないものの、月に一回程度、国内各所で定期的に行われている。今年も3月の鈴鹿サーキット、4月の袖ケ浦フォレストレースウェイでのパラモトライダー体験走行会に続き、5月23日(月)、埼玉県にあるファインモータースクール上尾校で開催となった。
まずは朝のブリーフィングで治親代表およびSSP専属の理学療法士である時吉直祐氏から、参加者それぞれの身体の状況及び注意点の申し送りが行われた。ボランティアスタッフへの周知とそれぞれに合わせたプログラムの進め方などの確認が行われ、ボランティア初参加者へのサポートアドバイスといったことが行われたうえでチーム分けをして、それぞれが担当分けをしてサポートを行った。
今回は、5名のパラモトライダーが参加した。そのうちの2名は過去に経験のある参加者だが、残りの3名は初参加。2回目の2名は脊椎損傷だが、新規参加者は、右足大腿部切断、盲目とそれぞれである。今回の会場は自動車教習所ということで、実際に教習所の職員も参加しての開催となった。
各参加者それぞれに時間を設け、まずは手押しでバランスが取れるかの確認をしたうえで、実際にエンジンをかけて直線での走行を練習。さらにバランスが取れることが確認出来たら今度はカーブを走行し、大丈夫と判断されたら、教習車を使用した先導走行による外周路の走行も行われた。
前回は過去最大のボランティアスタッフを集めての体験走行会だった。今回も見学も含め非常に多くの参加者が集まって、外周路までステップアップできなかった参加者もいるものの、事故もなく無事に、この感動の時間を一緒に体験することができた。