効果がわかりにくい、電気と静電気をめぐるチューニングの世界
昔よく流行ったアーシングケーブルから、近年トヨタが導入したアルミテープまで、オカルトと言う人もいれば実際に効いたと言う人もいる、電気にまつわるチューンは果たして本当に効くのだろうか。最近話題の電気や静電気を除去するチューンはどんな効果を持つのか解説する。
いまではほぼ絶滅してしまった「アーシング」
古典的な電気系統のチューニングとしては「アーシングケーブル」がある。ボディに帯電したマイナスの電気をバッテリーに戻すことで、効率がアップするというもの。エンジンやバルクヘッドなどあちこちから、バッテリーのマイナス端子にケーブルを増設する。
その効果は賛否両論ある。ヘッドライトが明るくなったとか、セルモーターが元気に回るようになったなど、いろいろ聞く。だが、近年のクルマに効果があるかはちょっと疑問が残る。もちろん自動車メーカーでもちょっとケーブルを増やすくらいで燃費が良くなったり、劇的な効果があるならやっているハズである。
むしろ、電気の行き来の量を考えて純正のアーシングケーブルを装着しているので、無闇な増設は危険であるとも言われる。
旧車ならケーブルやヒューズを純正新品にするだけでも効果あり
近年のクルマに効果があるかは怪しいが、旧車はもともとのアーシングケーブル自体が劣化してきているので効果がわかることもある。ケーブル自体も20年や30年経過すれば酸化して劣化してくる。それを補う意味でのアーシングケーブル増設は効果が期待できる。
ならば純正のアーシングケーブル自体をリニューアルするほうが、新設ケーブルによる火災やショートなどのリスクを抑えられるので良いという話もある。まずは純正ケーブルのリフレッシュからオススメしたい。
そういう意味では昔からヒューズを高効率なものにするチューンもあるが、これも効果は賛否ある。いずれにせよ、純正新品ヒューズに変えるだけで一定の効果があるような気がするもの。10何年も使っているなら交換してもバチは当たらないはずだ。
それから、もしアーシングケーブルを新設する際は、エンジンルームは温度が上がるし、ベルト類など回転するものも多いので、そのケーブルがトラブルを生まないように気をつけてもらいたい。