R32GT-Rで点検したい代表的な30項目を知る!
1.バッテリーターミナル
ヒュージブルリンクが溶け、繋がってはいるが通電しない状況に陥ると、電気が足りずエンジンが止まったりHICASランプ点滅など多様な不具合が出る。ハーネス側が溶けた場合はコネクターが同じなのでヒュージブルリンクを2本入手し配線を切って繋ぐのが得策。
2.クランク角センサー
三菱製のクランク角センサーの場合、中央のゴム部分を触りブルブルと動いていたら軸がダメな証拠。交換したことがないクルマはサビが出ていることも多い。ここはエンジンの要なので最長でも20万km走行が限度。普段走らないクルマも怪しい。兆候はなく、ある日突然エンジンが止まってしまうので、交換した記憶がない場合は一度点検してもらいたい。
3.エアフロメーター
R32の最多トラブルがエアフロメーター。振動が多い場所なのでハンダが割れて配線がはずれてしまうのだ。かつて多かったセンサー部の汚れなどではなく、内部の基板のハンダが劣化してトラブルに。
4.パワートランジスター
内部が熱や経年で劣化。交換するしかない。よく壊れるのでR32はストックを持っている人も多い。電圧に関わる部品なので、不具合が出ると問題が大きくなるので信頼できる純正が一番いい。息継ぎしたら要点検。
5.イグニッションコイル
イグニッションがパンクするとパワトラ同様、1気筒死んだようにバスバスと吹けない症状が出る。その場合はパワトラかコイルかを疑う。配線がグズグズになったりコネクター部がボロボロと崩れ落ちることもある。
6.インジェクター
本体からのガソリン漏れ。穴などから漏れ出し本来黄色い部分が茶に変色。エンジンルームを開けた瞬間にガソリン臭がしたら交換。また、長期間不動だったクルマは内部でガソリンが腐り固まり動かなくなることもあるので注意。
7.ブレーキマスターシリンダー
マスターバックに近い部分などからオイル漏れを起こす。周囲にオイルが付着して、とくにゴム製品などを傷めてしまうので注意。オイルが減っていたら要点検。マスターバック内に入ると内部のゴムがドロドロになり交換するしかなくなる。
8.クラッチマスター&オペレーティングシリンダー
ブレーキ同様マスターシリンダーのオイル漏れでマスターバックを傷める。内部がダメになると斜めに当たってシリンダーを削りグキグキ音発生。末期はクラッチペダルを伝い左足がオイルまみれになる。
9.ABSユニット
R32はABSユニットがダメな車両が増えた。シャフト部からのオイル漏れが多い。不具合が出ると修理は難しく、製造廃止なので交換も不可能。目黒メンテナンスサービスではオリジナルパーツを用意しキャンセルしている。
10.パワステポンプ&ホース
パワステポンプはプーリーがカクカクと動くようになってしまう。その前に軸やホースからオイルが漏れ出す。カシメ部は要注意。目黒メンテナンスサービスでもパワステトラブルが3台連続で入るなど多発した箇所だ。
11.エアコン
コンプレッサーが焼き付くとヒューズが飛ぶことも。エアコンガスの圧力が高いホースからもガスが抜ける。ボルト1本でしか装着されていないので弱いのだ。目黒メンテナンスサービスは独自に2本のボルトで留めるアダプターを用意。ガッチリと固定して対応する。
12.ヘッドライト&スイッチ
スイッチの内部が接点不良を起こす。酷くなると夜間にスイッチ付近からパチパチと火花が出ていることも。そうなると近辺の配線が燃える。ライト本体もカプラー損傷していたり、光軸調整の樹脂パーツが劣化して調整が不可能になってしまうこともあるので一度チェックしたい。
13.ハザードスイッチ
押したら戻らない、ロックしない事象が多い。製廃なので交換不可。リターンスプリングの劣化などが原因だ。戻らない場合はスイッチの窪みにノブ状のものを付けて、引っ張って戻す。目黒代表はノブ代わりにカウルトップ中央のクリップを逆さまにして突起として代用している。
14.エアコンアンプ&アクチュエータ
エアコンアンプ(コントロール部)の表示が消えたり、各々のスイッチが反応しないなどトラブルも増えてきた。温度を変えるモーターと風向きを変えるモーターから異音が出始めたら、最終的には動かなくなってしまう。
15.シートベルト
シートベルトのトラブルは大問題。ベルトが戻らないと車検に通らないからだ。原因は巻き取りのバネがダメになってしまうこと。巻き取らないのはまだいいが、ベルトが出てこなくなると致命傷だ。