5月29日に記念すべき10年目の大会が開催!
さて2022年5月29日(日)で10年目を迎えた今大会であるが、レギュラーカテゴリーに加え、ミッドシップエンジン搭載のスポーツプロトタイプによる「GLORIOUS TROPHY」も新設。また久々となる「HISTORIC FORMULA CUP」開催も見どころとなる。
開会式を告げるのは、スコットランド人のカラムさんと愛息フィンリーくんによるバグパイプの演奏。そしてコースでは完熟走行後の予選を終えてから、2輪車と4輪車のそれぞれ、決勝レースへと進むプログラム。また「ニーラー」と呼ばれるサイドカーのレースもあり、今回の台数は少なかったが、こちらも見どころとなっている。現在はすっかり成長したフィンリーくんの、10年という歳月が分かる写真も載せておこう(左上が現在、左下が10年前)。
4輪車最初のレースは「SEBRING 40M」、40分の耐久レースから始まる。セカンドドライバーがクルマに乗り込んだファーストドライバーにタッチしてレース開始する、変則ル・マン式スタート。「ル・マン スプライト」、「TFR5」という2台のヒーレー・ワークスカーが並ぶ姿は壮観だ。排気量差のある混走レースであり、ハンディキャップはドライバー交代時のピットストップタイム。これにより、より接近した緊迫のレース展開となる。
葉巻型フォーミュラカーや貴重なスポーツプロトタイプが疾走
葉巻型時代のフォーミュラカーによる「HISTORIC FORMULA CUP」には、ロータス、ブラバム、シェブロン、アレクシスといったメイクスが今回参戦。排気量などを基準に、このなかで3つにクラス分けされている。
新設されたニューカテゴリー「GLORIOUS TROPHY」は、シェブロンB19、ジネッタG12、ロータス23Bが2台と、今回の参加台数は少なかったが、わが国にも多くのスポーツプロトタイプのマシンはあるので、これから期待できるカテゴリーに育っていくだろう。
ジュリアやミニ、エランなど名車の数々による紳士的な運動会
そしてサルーンカーによる「TIN TOP CUP」は、トップを独走するアルファロメオ・ジュリアと、それを追うミニとフォード・エスコートという展開となったが、アルファロメオがスロー走行となって、3台は大接戦に。ラスト1周まで勝負の行方は持ち越され、大いに沸かせてくれた。
プログラム最後はスポーツカーレースの「EVER GREEN CUP」だ。「26R」=通称「レーシングエラン」を含む3台がフロントロウを固める、ロータス・エラン勢の独壇場となったなかで、トップスピードは劣りタイヤ幅も狭い赤のエランが大善戦。セカンドポジションをキープしてフィニッシュしたエランには、すべてにおいてサイドウェイ・トロフィーの精神を象徴していると言える清々しさがあった。これからも常勝26Rとのハイレベルな争いはこのクラスの見どころとなるだろう。
こうして迎えた10周年の記念大会となった「フェスティバル・オブ・サイドウェイ・トロフィー」。ヒストリックカーが好きな人も、往年の文化を愛する人も、雰囲気の休日を楽しみたいギャラリーも、誰もが楽しみを見つけることのできるイベントとして、これからも盛り上がっていくだろう。