ほぼコンセプトどおりに登場し大ヒット
1996年に販売が開始されたボクスターは、コンセプトカーほぼそのままという出で立ちで登場しました。登場当初は204psを発生する2.5L水平対向6気筒エンジンのみのラインアップでしたが、登場前から話題となっていたこともありポルシェが予想していた以上の注文が殺到しました。
この結果、翌1997年にポルシェは増産体制を決定。フィンランドのヴァルメト・オートモーティブ(サーブなどを製造していた)でのボクスターの組み立てがスタートします。2004年に初代ボクスターが生産終了するまでに、10万台以上がフィンランドで製造されました。ポルシェの想定を大幅に超えるヒットとなったボクスターは、まさにポルシェを救った救世主と呼べる存在です。
進化を続けてファンを魅了しポルシェの危機を救った
抜群のスタートダッシュを切ったボクスターはこれまでのポルシェフリークはもちろん、新たなポルシェユーザー・ファンたちを飽きさせないように年々進化していきます。1999年にはエンジンを2.7Lへと拡大し、220psにパワーアップしたほか、252psを発生する3.2Lエンジンと6速トランスミッションを採用した上級モデル「ボクスターS」を設定。その後もスペック的に大きな変更はないものの、ポルシェらしく毎年進化していき、2004年に生産終了され2代目へとバトンタッチしました。
初代ボクスターが販売されていた1996年から2004年にかけては、今までにない新たなポルシェが誕生した時代でもあります。911は1997年に、歴代で初めて水冷エンジンを搭載した996へとフルモデルチェンジ。またボクスターでの成功を受けて、ボクスターのクーペ版とも言えるケイマンも2005年から登場しました。その後ポルシェはブランドとして順調に成長を遂げています。21世紀に入ってからの成長は、ボクスターの成功無しには出来なかったことでしょう。そして、ボクスターの存在が無ければ今日のポルシェは無かったかもしれません。