日産レパードJ.フェリー/美しい妻と一緒です。
静かといえば、1993年登場のレパードJ.フェリーの「美しい妻と一緒です。」も、クルマのキャッチコピーとしてはなかなか画期的だった例のひとつ。どう読み解けばいいのかナゾの部分もあったにせよ、サブで「美しきパートナーへ、そして、心優しきドライバーへ。レパードJ.フェリー、あなたの求めていた本当の高級車がここにあります。」と伝え、北米市場で評価を得たインフィニティ・ブランドを日本でも味わってみてはいかがでしょう? といったアピールだったのだろう。
日産プリメーラ(初代)/プリメーラパッケージ
一方で前後するが1990年登場のプリメーラでは「プリメーラパッケージ」とし、豪華さや高級感よりも、欧州車調の実用性、機能性、走りを打ち出しにしていた。カタログも開くと最初に見開きを使って車両レイアウトの図面を載せる力の入れようだった。
日産フェアレディZ(4代目)/スポーツカーに乗ろうと思う。
そして日産車のキャッチコピーとして印象的だったのが、1989年に登場したZ32型フェアレディZの「スポーツカーに乗ろうと思う。」と、1990年に登場したステーションワゴンの初代アベニールのときの「スポーツカーの次に来るもの。」だった。
“連作”のようなこの2車のキャッチコピーは、折りしも90年代が始まるところで、新しい価値観、新しいものの考え方を提案するかのように打ち出してきた。とくにZ32型フェアレディZは、Zのあり方を再定義した人気車だったが、クールな体裁のカタログは、前半でスタイリング、デザインを堪能させ、後半でメカニズムの解説を“熟読”させる構成で、手に取ればいやが上でも新しいZの世界観に浸ることに。
日産アベニール(初代)/スポーツカーの次に来るもの。
アベニールも、ワゴンではありがちな使用例を示すカットはほどほどに、風景の中にクルマを置き、アベニールがある暮らしの魅力を伝えていた。