ゆっくり走っているのになぜか車線を譲られてしまうクルマの特徴とは
高速道路を走っていて、ちょっと追い越しをするために右車線に移っただけなのに、その途端に前を走るクルマが次々と、逃げるように左車線にどいてしまう……。その光景はまるで、大海原にひと筋の道がサーッと開ける、「モーゼの海割り」のよう! 世の中には、煽ったり車間距離を詰めたりしていないのに、なぜか、かなり遠くからでも車線を譲られてしまう高圧力なクルマというのがあるものです。今回は実体験から、モーゼ率が高いクルマをピックアップしてみました。
押し出しの強い顔を持つ日本最強の高圧顔カー
「30系アルファード&ヴェルファイア」
1台目は、国産車のなかでは今やモーゼ率トップではないかと思われる、トヨタ・アルファード/ヴェルファイア。現行モデルは2015年に登場しましたが、その時に大きな話題となったのが、これでもかと広範囲に大きくなり、威圧感を増したフロントグリルでした。アルファードは宮殿の祭壇のような威厳と、ドッシリとした重厚感が他車を寄せ付けない雰囲気。ヴェルファイアは、メッキ装飾で囲まれたバンパー左右のデカライトで押し出し感バリバリ。
ボディも5mに迫る巨体とあって、前を走るクルマはこれがルームミラーに映った瞬間、「すいませんでしたっ」と負けを認めるよりほかないのがほとんどでしょう。実体験では、アルファードですぐに譲られなかったのは、メルセデス・ベンツGクラスやキャデラック・エスカレードなど、いずれも威圧感のある高級車の数モデルのみ。室内は、パワーリクライニングやオットマン、眠るときにラクな角度調整式大型ヘッドレストなどが備わるエクゼクティブラウンジシートなど、至れり尽くせりの快適性を備えており、国内外のVIPがこぞって乗るのも納得です。
不変のスタイルでスポーツカーだと認識される
「ポルシェ911シリーズ」
2台目は、子どもから大人まで誰でも「速いクルマだよね」と知っている知名度の高さと、昔から変わらないお馴染みのフォルムで遠くからでも認識率が高いからでしょうか、やはりポルシェ911は譲られることの多さがピカイチ。650psを誇る3.8LツインターボのターボSでも、4.0LのGT3でも、3.0LツインターボのカレラSでも、遠くから見たらどれも同じようなフォルム。
さらに現行911のタイプ992ではなく、過去のモデルだとしてもそれほど大きなデザイン変更がないので、もうポルシェならどれが見えても「ウワッ、速いの来た!」と、とっさにウインカーを操作しちゃうのかもしれないですね。でもボクスターだと、やや譲られる頻度が減るのが面白いところです。確かにボクスターになると、ベーシックなグレードはパワーが300psくらいなので、空気を切り裂く威圧感のようなものが薄くなるのかもしれません。