2代目ではバリエーションが一気に拡充
そうしたウイークポイントがシッカリと潰されて2007年に登場したのが第2世代だった。外観は道ですれ違いざまにオーナーでさえ新旧の判別に自信が持てないほどのキープコンセプトぶりだったが、だからこそミニであることは、すでに初代が証明していたようなもの。そしてこの2代目では、モデル(ボディ)バリエーションが一気に拡充したことが忘れられない。
列挙するとハッチバック(R56)のほか、クラブマンおよびクラブバン(R55)、コンバーチブル(R57)、クーペ(R58)、ロードスター(R59)、そしてカントリーマン(日本名=クロスオーバー/R60)、ペースマン(R61)といった具合。庶民の筆者など「ちょうど7タイプあるなら日替わりで乗れる。もしも自分がプチ富豪ならば全車を揃えて車庫に並べたい」と思ったほど。
このうち2シーターのクーペとロードスターは、ミニの代名詞の「ゴーカートフィーリング」を象徴するようなモデルで、老婆心ながら、それほど台数が出ていないようだったのが残念だったが、ミニの新境地に挑戦していた。
それとクラブマンは、左右両開きのリヤのスプリットドアは斜め上方に開く角度まで往年のそれを見事に再現したもの。コンパクト(3世代目ミニで登場の2代目クラブマンはサイズアップした)ながら、センスのいい大人が似合うワゴン……そんな趣きがよかった。
いまや輸入車販売台数で6年連続トップの超人気ファミリー
さらに2014年には3代目に進化。この世代ではベースのハッチバック(F56)に加え、意外にも人気を集めることとなった5ドア(F55)が登場。さらにクラブマン(F54)、コンバーチブル(F57)、時流に乗ったクロスオーバー(F60)がモデルチェンジを果たして登場した。
ところでBMWミニで外せないのが、カタログが、いかにも見て楽しめるように凝った作りになっているということ。ショールームのCI(コーポレートアイデンティティ)とも共通の黒をベースにしたものだ。口で(文字で)お伝えするのは難しいが、どれもとにかくセンスのいいグラフィックデザインで、紙質、印刷も上質な(かなりコストがかかっているだろう)、手にして、ページをめくるのが心弾む行為になる……そんなカタログに仕上げられている。もしも実物をご覧になったことがなければ1度見ていただきたいが、この味わいこそ紙のカタログの真骨頂であり、タブレットやPCで見るWebカタログでは味わえない趣きなのだと思う。