インディ500に次ぐ歴史を持つパイクスピークは今年記念すべき大会に
今年も5月29日に開催されたインディアナポリス500マイルレース(通称インディ500。先日行われた2022大会が106回目の大会となる)に次ぐ、世界で2番目に古いレースとして知られているパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(通称:パイクスピーク、1916年に初開催)。2022年大会で、ついに100回を数えることとなる。
別名「The Race to the Clouds(雲に向かうレース)」とも呼ばれるこのレースは、アメリカ・ロッキー山脈の南端に位置するコロラド州にあるパイクスピークという山(標高1万4115フィート=4301m)をいかに速く駆けあがるかを競うヒルクライム競技だ。そのスタート地点は標高2862mにあり、コースは全長約20kmでゴールの頂上までの1本道を1台ずつアタックし、そのタイムを競う。標高の高い地域での走行ということで空気が薄くなっていく頂上付近では、エンジンの出力が30%近くダウンするといわれている。
近年パイクスピークへ挑戦を続けているSAMURAI SPEEDが、先日参戦発表を行った。当初は日産リーフの2台体制での参戦を目論んでいたようだが、1台での参戦に切り替えとなった。長年SAMURAI SPEEDからこのパイクスピークへ参戦を続けていた奴田原文雄選手に代わって、大井貴之選手が参戦する。
昨年も大井選手は奴田原選手の代役としてチームに合流し、このパイクスピークに参戦するはずだった。だが、昨年の参戦車両である日産リーフe+が電気系トラブルのため走行させることができず。大井選手は現地入りはしたものの、ついぞ一度もコースを走ることはなかった。そのため、昨年に引き続いての2年目の挑戦となるが、今回もルーキー(パイクスピークではどのようなレースキャリアを持っていても、パイクスピーク初参戦の者はルーキー扱いとなる)での参戦となる。
今年の車両も日産リーフe+ をベースにカスタムしたマシンとなり、なんでもありの「アンリミテッドクラス」にエントリー。全11台が出走するこのクラス唯一のEVとなる。そのボディカウルには大王製紙が手掛ける環境に優しい素材「セルロースナノファイバー」を多用した一体式フルカウルを前後に装着。さらにサンデンのリチウムイオンバッテリー温度管理システムも搭載する(写真は昨年の参戦モデル)。
現在発表されているパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムのエントリーリストには全75台が名を連ねている。その中にはもうひとり、日本人の名前がある。アメリカ在住のドリフトレーサー・吉原大二郎選手である。こちらは2018年式Tesla Model 3でエキシビジョンクラスに参戦することとなる。
100回記念大会ということで、昨年はコロナ禍の影響で開催されなかった地元コロラドスプリングスのダウンタウンで開催のファンフェスタも再開予定となっている。スケジュールは、6月20日(月)に公式車検、21日から4日間の練習走行及び予選セッションが行われ、24日(金)の夕方にはファンフェスタが開催される。そして26日(日)にパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム100回記念大会の決勝ががスタートする。