参加者が楽しく走れる雰囲気作りも重視してきた
学生を中心とする若いドライバーが多いのは、レースの面白さや内容だけが理由じゃなく、金銭的にムリし過ぎずに遊べることだろう。それでいて改造範囲が狭いからこそ車両のセットアップや、走り込みの熱心さは公認レースに引けを取らない。逆にいえばそこまでやらないと勝てないし、イカサマに頼らず規則を遵守している証拠でもある。
上位のドライバーは軒並み練習量がハンパじゃないし、データの蓄積と活用といった中身も非常に濃厚で、勝つために相応の努力をしているというのが現状。なお冒頭で書いたとおりレースだからといって、パドックの雰囲気がギスギスしていることもない。勝利を至上とする本気組と参加することに意義があるエンジョイ組、それぞれの目的をお互いが尊重し合う空気を作ることも、東北660選手権を立ち上げたときからのテーマだったのだ。
そして派生イベントもいくつか誕生した。2017年からは東北660ターボGPと東北660耐久レース、これらは新規格だけじゃなく旧規格の車両も参加できる。そして2022年からは東北660選手権・HA36カップと名付けた、文字どおりHA36(NA)のワンメイクレースが開幕する予定だ。公認レースほどお金がかからず規則もいい意味で緩く、お金をかけたモン勝ちにもならない東北660選手権。参加したい人やまずはレースを見たい人は、ぜひともサーキットまで足を運んでみてはいかがだろうか。どのコースも入場料だけで観戦できるので、参加者たちの情熱を肌で感じてほしい!