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今やウデ磨きに駆動方式は関係なし! それでもFRが最適と言われる理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web

  • ドリフトのイメージ

  • トヨタ86のドリフトシーン
  • ドリフトのイメージ
  • 4WDのGRヤリスの走行シーン
  • FFのデミオ走行シーン
  • AE86のイメージ

昔は手ごろに買えるFRスポーツが多かった

 サーキットに限らずスポーツ走行を楽しんでいる人なら、一度は聞いたことがある「ウデを磨くならFR」という言葉。確かに重量の前後バランスはFFに比べて50:50に近付けやすく、アクセルで流れるリヤを制御するのは後輪駆動の醍醐味だろう。

 そして現在の年齢が40代の半ばくらいまでのドライバーであれば、若かりしころはAE86レビン/トレノやKP61スターレットなど安価なFRを手に入れやすく、ガンガン走り込んでテクニックを身に付けた人も多いと思われる。でも果たしてFFや4WDは練習に向いておらず、今からでもFRに乗り換えたほうが正しいのか。それぞれの駆動方式による特性の違いや、練習車としての適正について考えてみたい。

AE86のイメージ

FRはテールスライドのしやすさとコントロールが容易

 まずは昔から都市伝説のように推されるFR。前輪で引っ張るFFに対し後輪で押し出すFRは、自然なフィーリングと言われることが多い。またテールスライドを意識的に起こしやすく、アクセルコントロールとカウターステアによる制御、つまりドリフトを練習するには間違いなく最適だ。

トヨタ86のドリフトシーン

 しかし意図的にリヤを流すのはFFや4WDでも可能だし、カウンターステアが重要であることもまったく変わりない。タイミングや細かい操作の違いこそあるにせよ、ドリフトがFRだけの特権と考えるのは間違い。

FFを自在に操るならより正確なテクニックが求められる

 対するFFはアンダーステアが強い傾向にあり、FRに比べ『待ち』が多いというのが通説で、コーナーに入ってからの修正も効きにくい。すなわち適切な進入スピードやフロント荷重の乗せ方、ライン取りなどすべてにおいて正確さが求められる。そういった意味ではFRよりも手強い部分があるし、ウデ磨きに向かないなんてのは勘違いもいいところ。

FFのデミオ走行シーン

ひと昔前の4WDの強アンダーがネガな印象を与えたか……

 4WDは優れたトラクション性能から誰でも速く走れる、すなわちウデがなくてもタイムを出せると思われがちだ。電子制御が満載の最新スポーツモデルなら、運転の荒さやミスをごまかしやすい面はある。

4WDのGRヤリスの走行シーン

 だが昔の4WDはFFと同じかそれ以上にアンダーステアが強いこともあったし、むしろ特性より燃費やチューニング、メンテナンス性(デフが3つあるなど)の面から、ガンガン走り込みたい若者に不向きとのイメージが定着した気がしないでもない。

 結論としてFRはほかの駆動方式よりも低速でテールスライドさせやすく、落ち着いて立て直す操作を練習できるメリットはある。しかしFFや4WDがウデ磨きに不適格なはずもなく、ドラテクが身に付くか付かないかは駆動方式より、練習量や何かしらテーマを決めて走り込むなど、内容の濃さのほうがよほど重要といっていい。

  • トヨタ86のドリフトシーン
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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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