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HREのタンドラは第11戦でも苦戦……それでもパーディ選手は今季最高位を獲得【NASCARトラックシリーズ2022】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

パーディ選手が今季ベストのトップ10入り

 アメリカでももっとも人気のあるモータースポーツ、NASCAR(ナスカー)の3大トップカテゴリーの「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」。そのなかでもトラックシリーズに長年参戦している服部茂章氏は、現役ドライバーを引退してからも、ナスカー界で唯一の日本人オーナーとして「Hattori Racing Enterprises(HRE)」を率いている。今シーズンもトヨタ・タンドラで参戦中だ。

Hattori Racing Enterprises(HRE) トラックシリーズは、2月の開幕からすでに10戦を消化。現在は夏の連戦の真っ最中で、6月4日(土)には、イリノイ州にあるワールドワイド・テクノロジー・レースウェイで「Toyota 200(160周/200マイル)」が開催された。

 1周1.25マイルのこのトラックはターン1-2が狭く、ターン3-4が緩やかなタマゴ型のオーバルとなっている。ターンはフラットでピットロードが非常に狭いことも特徴的なコースだ。シリーズは、プレイオフへの残り6戦ということもあって、各チームともポイントをひとつでも多く取ろうという作戦を繰り広げてくる。

 HREは今シーズン2台体制を取り、そのタンドラを2名の若者に託している。「#16 LiUNA Toyota Tundra」に乗るタイラー・アンクラム選手は、現在チャンピオンシップでランキング14位。この第11戦では走り出しとなるプラクティスで21番手、金曜夜の予選でも20番手とタイムは伸び悩んだまま決勝を迎えた。

Hattori Racing Enterprises(HRE) 土曜日午後12時半、10列目外側からスタートしたレースでは、スタート直後から車両がルース(オーバーステア)だとアンクラム選手から無線が入る。それでもポジションをキープし続けた16号車は第1ステージを20位で終え、その後のステージブレイクでは、16号車のチームクルーが迅速なピット作業で給油とタイヤ4本交換。さらにマシンの微調整を行って16号車を14番手のポジションでコースに復帰させる。

アンクラム選手は13位でフィニッシュ

 そして迎えた第2ステージでは、ステージチェッカーが70周目であったが、HREチームはその直前の62周目に出されたイエローコーションでマシンを呼び戻す作戦を実行。しかし、ピットロードでの安全違反を犯し、16号車は最後尾まで下げられることとなってしまう。その後のリスタートでアンクラム選手はスタートダッシュを見せ第2ステージを26位でフィニッシュした。

Hattori Racing Enterprises(HRE) 78周目に迎えた最終ステージ。20番手からスタートした16号車は14番手までポジションを上げ、94周目にタイヤ交換のためのピットイン。その後もリスタートをうまく使って、130周目には9番手までポジションを上げていく。しかし、157周目にイエローコーションが出され、レースはオーバータイムに突入。そこで燃料システムの警告灯が点灯した16号車は、確認のためにピットに戻らねばならず、21番手にまでポジションを落としてしまうが、その後リカバーを行ったアンクラム選手は13位でこのレースを終えた。

Hattori Racing Enterprises(HRE)

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