パーディ選手が今季ベストのトップ10入り
アメリカでももっとも人気のあるモータースポーツ、NASCAR(ナスカー)の3大トップカテゴリーの「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「Camping World Truck(トラック)」。そのなかでもトラックシリーズに長年参戦している服部茂章氏は、現役ドライバーを引退してからも、ナスカー界で唯一の日本人オーナーとして「Hattori Racing Enterprises(HRE)」を率いている。今シーズンもトヨタ・タンドラで参戦中だ。
1周1.25マイルのこのトラックはターン1-2が狭く、ターン3-4が緩やかなタマゴ型のオーバルとなっている。ターンはフラットでピットロードが非常に狭いことも特徴的なコースだ。シリーズは、プレイオフへの残り6戦ということもあって、各チームともポイントをひとつでも多く取ろうという作戦を繰り広げてくる。
HREは今シーズン2台体制を取り、そのタンドラを2名の若者に託している。「#16 LiUNA Toyota Tundra」に乗るタイラー・アンクラム選手は、現在チャンピオンシップでランキング14位。この第11戦では走り出しとなるプラクティスで21番手、金曜夜の予選でも20番手とタイムは伸び悩んだまま決勝を迎えた。
アンクラム選手は13位でフィニッシュ
そして迎えた第2ステージでは、ステージチェッカーが70周目であったが、HREチームはその直前の62周目に出されたイエローコーションでマシンを呼び戻す作戦を実行。しかし、ピットロードでの安全違反を犯し、16号車は最後尾まで下げられることとなってしまう。その後のリスタートでアンクラム選手はスタートダッシュを見せ第2ステージを26位でフィニッシュした。
パーディ選手は7番手まで順位を上げるも……
HREのもうひとりのドライバーであるチェイス・パーディ選手は、「#61 AISIN TOYOTA TUNDRA」を駆り、この一戦に望んだ。16号車に対し、この61号車は練習走行から好タイムを出しており、レース前日金曜の夜に行われた予選でも13番手のタイムを出し、7列目の内側からこの160周のレースをスタートさせた。
第1ステージは16位でフィニッシュ、第2ステージは19番手からスタートし、ここでは何度かのリスタートをうまく使って60周目のリスタートでは7番手まで順位を上げ、さらに前を狙って走行を重ねた。結果、第2ステージを4位でフィニッシュし、見事にステージポイントを獲得する。
そこからリスタートしたパーディ選手はその後もポジションを上げていき、130周目には7番手まで順位を上げたが、その後の攻防で最終的には10位でフィニッシュ。パーディ選手にとっては今季最高位の獲得となり、シリーズのチャンピオンシップでは3つ順位を上げ、15位のポジションにつけることとなった。
ナスカー・トラックシリーズは、まだまだ連戦が続く。6月11日(土)にはカリフォルニア州ソノマにあるソノマ・レースウェイで開催される「DoorDash250(75周/149.25マイル)」が予定されている。