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カタログの中で物語を展開! ダイハツ・コペンが欲しくなる企画力に敬礼

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

約20秒で開閉が可能だったアクティブトップ

 ところで実車で何といっても最大の特徴は“アクティブトップ”だ。NAロードスターと同じルーフロック2箇所を手で外し、(イグニッションオン・駐車ブレーキを引いた状態、トランク内のパーティションが使用状態であれば)スイッチをオンにすると、約20秒で油圧ポンプにより開閉作業が完了。ルーフはアルミ製で、同時に駆動する4つのモーターでサイド&クォーターウインドウガラスも作動し、さらに12個のセンサーが各部の作動状況を検知する機構も備えるという、凝った作りでもあった。

 サンバイザーは風除けの役割も果たす、ともある。またルーフクローズ時であれば、リヤのトランクルームはゴルフバッグ1個が収納可能という、にわかには信じがたい実力も秘めていて、トランクリッドを閉める際には、軽く押せばロックされるイージークローザー機能も備わっていた。内外の上級車ならともかく、軽自動車のコペンでこれだけの機能が標準で与えられた、まさしく驚くべきクルマなのだった。

 なお、あまり知られていないというか、ほとんど話題に上らなかった気もするが、コペンにはアクティブトップのほかに、ディタッチャブルトップ仕様の用意もあった。こちらはその名のとおり、人の手でトップを脱着する仕組みで、電動ルーフの作動メカとの差分で、車重は30kg軽い仕上がりとなっていた。

 エンジンは、ツインカム16バルブEFIターボ(64ps/110N・m)を搭載。これに専用クロスレシオ、ショートシフトストロークの5速MTと、4→3→2速の連続変速にも応答するというスーパーアクティブシフト付き電子制御式4速ATを設定。両車は共通の価格設定で用意された。サスペンションではメーカーオプション(ディタッチャブルトップには標準)のスポーツパックが用意され、このリヤには別体タンク付き分離加圧ダンパーが装着されていた。

 カタログのページを捲っていくと、“エキスパートセンター”の紹介も出てくる。これはコペンのために新造されたという専用ファクトリーで、コペンは、通常の量産ラインでは不可能な工程について、ここで高技能者の手作業により実施され生み出されているという内容だ。量産車とはひと味もふた味も違う、造りも製造工程も凝っていたクルマがコペンだったのだ。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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