にわかにスバル車で人気のリヤキャリパー
2基掛けチューニングとは
現行モデルの多くのクルマは国産、輸入車問わず電動パーキングブレーキ(EPB:Electric Parking Brake)の採用が進んでいる。スポーツモデルを好むユーザーからは、サーキットでのドリフト走行の際のきっかけづくりや、積雪路での緊急回避などで手引きのサイドブレーキの方が好まれているものの、全車速追従クルーズコントロール装着車では停止保持を行ってくれたりと、それなりにメリットも多い。
アフター品への交換が難しいEPB内蔵リヤキャリパー採用車
そんな電動パーキングブレーキだが、登場時は手引きタイプと同じく、リヤにパーキングブレーキ用のドラムを設けたものが多かったが、コスト削減などの意味もあり、リヤキャリパー一体型へと進化している。ドラムタイプであれば、リヤキャリパーはパーキングブレーキから独立したフットブレーキ用となるため、カスタマイズやチューニングをする際も、従来モデルからの流用や社外品へのコンバートが容易だった。だがキャリパー一体式の場合、フットブレーキのほかパーキングブレーキの機構も内蔵されており、これまでのように簡単に制動力の高いキャリパーへ交換といったことができなくなってしまった。
他車種用のブレンボ流用ならリーズナブルに
リヤの制動力アップが叶う
実際に社外品ではパーキングブレーキ機構を備える大型のリヤキャリパーも存在するが、ネックはやはり価格が高額となってしまう点。そこで登場したのがツインキャリパー化カスタムだ。この方法は、EPB用のキャリパーとして標準装備のモノを残したまま、フットブレーキ用のリヤキャリパーを新たに追加装着するというもの。
一見大掛かりに思えるが、適合車種であればキット化されたブラケットなどを装着し、油圧ホースを標準装着のキャリパーから追加したキャリパーに付け替えるだけ。また、適合するキャリパーであれば基本的に純正品の流用も可能なため、状態のいい中古のリヤキャリパーをゲットできればコストを抑えてツインキャリパー化が可能だ。
摩訶不思議なリヤキャリパー2基掛けが
ドレスアップ効果もあってプチブレイク
例を挙げると初代スバル・レヴォーグやWRX S4にも電動パーキングブレーキが採用されているが、フロントはWRX STI用のブレンボキャリパーを比較的簡単に流用できるものの、リヤに関しては純正のまま。見た目のバランス的にもリヤに対向ピストンキャリパーを入れたいところ。そういったオーナーにはまさにおススメのチューニングだ。
また、リヤは比較的キャリパーサイズやローターサイズがコンパクトなモノが多く、キャリパーがふたつ装着されているというだけで、見た目の迫力もかなりのものになる。ドレスアップ要素が強めだが、ローターやパッドのチョイス次第では大きくストッピングパワーを向上させることのできるツインキャリパー化。適合するモデルに乗るオーナーは是非一度検討してみてはどうだろうか。