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WRC6連覇を遂げた伝説のマシン! 世界中のラリーファンを魅了した「ランチア・デルタ」の進化をたどる

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/STELLANTIS/Auto Messe Web編集部

「HF 4WD」→「インテグラーレ」→「16V」→「エボ」と進化

 1987年から世界ラリー選手権がより市販車に近い車両で争うグループA規定に移行したことにより、ランチアは「デルタHF 4WD」というスポーツモデルを追加設定。デルタHF 4WDをベースとして、アバルトが開発したグループA仕様で世界ラリー選手権を戦うことにした。

ランチア・デルタHF 4WD

 1988年シーズン途中からデルタHF 4WDを改良したデルタHFインテグラーレを市場に投入し、その翌年にさらなるバージョンアップ版であるデルタHFインテグラーレ16Vが登場。1992年にデルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネをデビューさせている。

ランチア・デルタHFインテグラーレはブリスターフェンダーが特徴

 HFは「High Fidelity(高性能)」のことで、インテグラーレはイタリア語で「完全」を意味する言葉だ。世界ラリー選手権での戦績についても記しておくと、デルタHF 4WDからエボリューションモデルまでを擁したランチアは、1987~1992年まで連続でマニュファクチャラーズ選手権を制し、6連覇という偉業を成し遂げた。

1990年のラリー・モンテカルロを走るデルタ

 ランチアのファクトリーチームは1991年シーズンを最後に世界ラリー選手権でのワークス活動から撤退したが、チーム運営がプライベーターのジョリー・クラブに任された。引き続きマシンの開発を担当することになったアバルトが、ボディを拡幅したエボリューションモデルを1992年の開幕戦から投入したことにより、前人未到の記録を達成することができた。

1992年にアバルトが投入したエボルツィオーネ

最終進化形「エボII」は1千万円オーバーのお宝に

 良質なユーズドカーが1000万円オーバーで流通し始め、自動車趣味人の間で話題となった市販車のランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネIIは、デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネの後継車として1993年に発売されたモデルだ。「エボII」という名でも親しまれている。

ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII

 ランチアが撤退したことにより、世界ラリー選手権に投入されることはなかったが、エボIIがデルタHFインテグラーレの最終完成形であるという解釈に異論を唱える者はいないであろう。1994年に発売された車体色イエローの限定車「ジアッラ」、車体色ブルーメタリック/イエローピンストライプの限定車「ブルーラゴス」、1995年にリリースされた最終ロットの限定車「レッツィオーネ」(正式名称:ランチア・デルタ・アッカエッフェ・インテグラーレ・エボルツィオーネ・ドゥエ・コレッツィオーネ・エディツィオーネ・フィナーレ)などを含め、「ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII」は全車が神格化された存在だ。

ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII

12
  • 1979年に発売されたデルタ
  • ランチア・ラリー037
  • ミッドシップ4WDという魔改造モデルだった
  • ランチア・デルタS4
  • ランチア・デルタHF 4WD
  • 1987~1992年にWRCのマニュファクチャラーズタイトルを6連覇したランチア・デルタ
  • ランチア・デルタHFインテグラーレはブリスターフェンダーが特徴
  • 1990年のラリー・モンテカルロを走るデルタ
  • 1992年にアバルトが投入したエボルツィオーネ
  • ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII
  • ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボルツィオーネII
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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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