実力十分でコスパもいいモデルが増えている!
自動車メーカーの直系であるモータースポーツ部門、すなわち『ワークス』が手がけたチューニングカー。メーカーの看板を背負って戦うレースで獲得したノウハウを注ぎ込みつつ、保安基準適合でディーラーに気兼ねせず持ち込める安心感もまた格別だ。そんな魅力たっぷりのコンプリートカー、じつは手ごろな価格の中古車が意外とある。カスタムの内容から、とくにお買い得なモデルを厳選して紹介しよう。
三菱コルト・ラリーアートバージョンR
まずは三菱の『コルトRALLIART Version-R』だ。外装は専用のオーバーフェンダーにエアロバンパーでアグレッシブな雰囲気、そしてボディは本気の競技車と同じスポット増しで剛性が高められている。
エンジンは163ps(CVTは154ps)の1500ccターボで、5速MTのトランスミッションもゲトラグ製というスペック。デビューは2006年だが途中でレカロ製シートを標準装備した『レカロ・エディション』や、さらなるボディ剛性向上に装備を追加した『バージョンRスペシャル』も登場している。最終型こそ200万円に迫る中古車もあるが、初期型なら20万円台から探すことができ、コストパフォーマンスは絶大といえるだろう。
日産マーチニスモS
次は日産からK13型の『マーチ NISMO S』を。このモデルではワンメイクレースこそ開催されていないものの、軽量なボディと5速MTの組み合わせによる小気味よい走りは、先代や先々代モデルと比較してもまったく遜色がない。
優れた素材に磨きをかけた『マーチ NISMO S』は、カムのプロフィール変更や圧縮比を高めるなどチューニングを施したエンジン、専用ECU/エキゾーストシステム/サスペンション/ブレーキといった機能パーツや、スポーティさにエレガントさを併せ持つインテリアと、通常グレートとは何もかもが別モノ。新車でも200万円を余裕で切るリーズナブルさだったが、初期モデルの中古車では50万円台のタマもチラホラ見かける。
トヨタ・ヴィッツRSレーシング
続いてはコンプリートカーの枠からはみ出すものの、NCP131型ヴィッツの『RSレーシング』だ。2020年までは全国規模のワンメイクレースで使われており、ヤリスにモデルチェンジした今も各サーキットでレースが継続。指定部品となるロールケージやサスペンションが装着されており即サーキットOKであり、場合によってはホイールやトランスミッションといったスペアパーツが付属する可能性もある。
ただし修復歴だけじゃなく細かい傷くらいはあって当たり前で、エンジンやトランスミッションのコンディションも走行距離だけでは判断しにくい。見極めは難しいが装着されているパーツを考えればお買い得であり、そのままレースに参戦できるという選択肢が生まれるのもポイントだ。
中古車は決して多くないが相場は120~150万円ほど、さらに前のNCP91型なら50万円~とより手ごろになる。レースを考えずとにか苦練習したい人はコチラを選ぶのもアリだろう。