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バイクを知らない視覚障がい者が風を切って走る歓びを実感! 「パラモトライダー体験走行会」が開催

サイドスタンドプロジェクトも着々開催

 先日の箱根ターンパイクでのパラモトライダー走行企画「やるぜ!! 箱根ターンパイク2022」を発表以来、初めての開催となったSSP(サイドスタンドプロジェクト)パラモトライダー体験走行会が、6月13日(月)、神奈川県川崎市にある向ヶ丘自動車学校で開催された。

 このSSPは、世界のGPシーンで大活躍した伝説のレーシングライダー青木三兄弟の長男・青木宣篤選手と、三男・治親選手のふたりが立ち上げた一般社団法人だ。その三兄弟の次男である拓磨選手は1998年シーズンを前にしたGPマシンのテスト中の事故によって脊髄を損傷し、車いす生活を余儀なくされている。そんな拓磨選手と同じように事故などで身体に障がいを抱えてしまってオートバイを諦めた人に、ふたたび乗る機会を設け、また一緒にバイクを楽しめるようにと活動しているのが「パラモトライダー体験走行会」である。

今回は新たに3名が初参加した

 2020年から月に一回程度、国内各所で定期的に行われており、今年も5回目となる体験走行会となる。今回は新規に参加する3名を加えた5名の体験走行参加者が集まった。参加者は脊椎損傷ではなく、脳性麻痺による半身不随の2名、そして視力障がいを持つ3名と、いままでとは異なる顔ぶれでの一日となった。

 一日の流れは通常通り、全体でのブリーフィングで青木治親代表から、この日の参加者それぞれの身体の状況及び注意点の申し送りが行われる。その後、SSP専属の理学療法士である時吉直祐氏から参加者の問診と、同時にボランティアスタッフはグループ分けを行う。ボランティア初参加者へのサポートアドバイスをしながら、パラモトライダーへのサポートの仕方、そして各自の担当などの再確認を行ってこの走行会に臨むこととなる。

 前回の埼玉県上尾市のファインモータースクールでの開催に続き、今回の舞台も自動車学校。休校日の月曜日に貸し切り状態でこの体験走行会を開催している。また、自動車学校の職員の方もボランティアでこの活動に参加していた。

まずはバイクに慣れるところからスタート

 各参加者それぞれに1時間ほどの時間を設け、バイクにまずはまたがって、ボランティアスタッフの手押しでバイクのバランス、そしてブレーキ操作の確認、という手順で走行を開始していく。今回は、初参加者3名がいずれもバイク経験者ではないことから、バイクという乗り物に慣れてもらうという意味もあり、バイクに慣れるところからスタート。

 動作の確認をしたところで、実際にエンジンをかけてアクセル操作を初体験する。参加者からは「風を感じるって経験を初めてしました」、「今まではバイクに乗りたい、でしたが、バイクに乗ったら次、どうしましょう? って思いです」といった、嬉しいというか舞い上がるようなコメントが聞かれた。多くの障がい者にバイクに乗る喜びはもちろん、新たな希望や目標を提供していることが実感できる。

 また、今回は神奈川県にある有料観光道路である箱根ターンパイクのネーミングライツを取得しているアネスト岩田からもボランティア参加があった。アネスト岩田は、神奈川県横浜市に本拠を置くコンプレッサーや真空機器の製造販売を行っている会社で、Jリーグの横浜F・マリノスのサポート、そして箱根ターンパイクのネーミングライツを2018年から取得しているが、ほかにも地域貢献活動にも積極的に活動を行っている。

 今回のSSPは「アネスト岩田ターンパイク箱根」を貸し切り状態でパラモトライダーに走行してもらおうという企画『やるぜ!! 箱根ターンパイク2022』の話を聞き、この“夢を叶える場”をぜひ見てみたい、ということで実際にボランティアとしての参加となった。

 この「障がいを持ったライダーが公道を走行する機会を」との思いから企画がスタートした『やるぜ!! 箱根ターンパイク2022』は、9月11日(日)に開催を予定。現在、国内最大級のクラウドファンディングサイトCAMPFIRE(キャンプファイヤー)での支援を求めている。目標金額は200万円。6月15日時点での支援金は85万円を超えたところまで集まってきた。また引き続きボランティアスタッフの参加募集も行っている。次回のSSPパラモトライダー体験走行会は、7月25日に筑波サーキットで開催予定だ。

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