軽自動車に初めてハイブリッドを採用するも……
存在感といえば、カタログではメインのキャッチコピーにもなっていたハイブリッド仕様が投入されていた点は、エンジニアリング的な意欲作だったといえる。システムはエンジンとトランスミッションの間に約80mmの厚みのモーターが仕込まれ、発進、加速、登坂時にモーターがアシストするパラレル方式で、もちろん市販の軽自動車では当時としては初のことだった。これにより当時の軽自動車ではナンバー1という34.0km/Lの10・15モード燃費も打ち立てた。
だが、せっかく専用の鉛電池を新開発しつつも、ガソリンエンジン車との車重差はざっと130kgあり、それ以上にガソリン車とハイブリッド車の価格差(最廉価版が49万円に設定されたのに対して、ハイブリッドは129~139万円だった)はいかんともしがたく、ツイン終了よりも前には、ハイブリッド車は早々にカタログ落ちしていたのだった。
折りしも軽規格のEVの登場が話題となっている今だが、ツインは相当な割り切りベースに作られたクルマだったとはいえ、2シーターのコミューターとしてのコンセプトは、今でも通用するものであるはずだ。「登場が早かった」とはよく使われる言い方だが、ツインのカタログを手にして眺めながら、これがもし今どきのEV仕立てのクルマだったら「ちょっとディーラーに見に行ってみよう」という気になるかもしれない。