0−100km/h加速は3.5秒というパフォーマンス
2.5リッター水平対向4気筒エンジンはパワー400bhp、トルク600Nm。ベースである2.5リットルのボクサーエンジンのシリンダーブロックに、シリンダーライナー、ピストン、コンロッド、クランクシャフトなどすべて特注パーツを用いて組み上げられたオリジナルの最新型だ。ターボにはラグ対応に秀逸なギャレット製を採用、排気系にもこだわりのアクラポビッチ製チタンと、ステンレス鋼のレーシングエキゾーストシステムを盛り込んでいる。
ミッションは6速セミオートマチックだが、ここに走りを支える真髄が見られる。WRC競技でのスタートダッシュに欠かせない、シフトアップで鍛え上げてきた加速制御システムが盛り込まれているのだ。
ミッションギヤとパドルシフト、いずれを介してもわずかなミリ秒単位でギヤチェンジをこなし、フライバイワイヤースロットルとの連動。ラリーで鍛え上げたトラクションロスのない4WD制御技術をもって、100km/h到達を3.5秒で達成する性能という。
足まわりのマクファーソンストラット式サスペンションは、ベース市販車よりワイド化された車幅に適合させ、ビルシュタインのダンパーもまた調整可能なもの。ブレーキはAP、ホイールは19インチ8.5Jのプロドライブ製。タイヤはブリヂストンポテンザ235/35-19タイヤが装着されている。
もちろんインテリアも今風にアップグレードされ、革、アルカンターラ、カーボントリムの組み合わせが展開されている。
プロドライブのデビッド・リチャーズ会長は、プロドライブP25のルーツであるインプレッサ22Bに敬意を表し、「象徴的な青いスバルは、WRCの並外れた時代の記憶を呼び戻します。公道でのパフォーマンスはインプレッサに匹敵するものはほかにほとんどありません」と現代版に蘇らせる制作への熱意を語っている。
まもなくグッドウッドでお披露目するプロドライブP25は、ミシュラン・スーパーカー・パドックに展示される。テストと開発プログラムはさらに進められ、顧客の手元に今年後半に届くよう、25台の生産車は英国のバンバリーにあるプロドライブの本社で製造されてゆくとのこと。公道を走るプロドライブP25が待ち遠しいかぎりだ。