エンジンを保護しつつ性能を引き出してくれる
エアクリーナーはエンジンに吸い込まれる空気を綺麗にする装置。レーシングカーではむき出しのファンネルでそのまま空気を吸っていることもあるが、それは「どうせエンジンすぐオーバーホールするから、多少ゴミを吸ったとしても速くなればOK」的な考えだから。ストリートカーやチューニングカーに長く乗ろうと思ったら必須の存在である。
純正交換タイプなら数千円で手に入る
純正フィルターは紙製などが多く、集塵性能も高いが抵抗も大きい。それをスポンジや同じ紙でも折り返しのひだを増やして面積を増すなどして、効率をアップさせたものがアフターパーツとして売られている。
アクセルレスポンスもアップするし、ピークパワー向上も期待できるため、数千円にして大きなリターンがある。厳密に言えば集塵効率は純正よりは劣る傾向にあるが、純正のように5万kmも6万kmも使うものではない。アフターパーツのフィルターは1万kmごとくらいには交換して、フレッシュな状態を保ちたい。
また、メーカーによっては洗浄できるものもあり、水洗いして干して使ったり、そこに専用オイルを染み込ませて使うものもある。
むき出しタイプならさらなる効率アップが図れる
もっと大掛かりなエアクリーナーチューニングとなると、純正エアクリーナーボックスを外して、アフターパーツのエアクリーナーボックスを取り付けるパターンになる。
昔から定番なのはむき出しクリーナータイプ。円筒形のエアクリーナーが見えるようにエンジンルームに取り付けられる。そのメリットは吸気抵抗の少なさ。円形でフィルター面積が大きく取れ、吸入効率アップに効果的。ただし、気をつけたいのがエンジンルームの熱気だ。
エンジンは冷えた空気を吸い込んだほうがパワーが出る。対して温かい空気はパワーダウンにつながってしまう。冷えた空気の方が密度が高いので、酸素をたくさん燃焼室に入れることができるのでパワーが出せる。
しかし、エンジンルームはかなり熱を持つため、むき出しクリーナーをただ置くだけではその熱気を吸い込んで、せっかく吸気抵抗を減らしたのに吸気温度がアップし、パワーダウンしてしまうこともあるのだ。そのため現在は各社から仕切板や導風板などがセットにされていることが多い。もし、そういったものがなかったり、中古で購入したならプロショップに相談して導風板をセットしてもらうことが望ましい。
DIYでも導風板製作は可能だが、エンジンルーム内は高温になる。また、導風板が外れたりずれたりしてファンベルトと干渉すると大きなトラブルにつながるので、プロに依頼したいところである。
むき出しタイプをカバーするボックスも登場している
そして、最近ではそんなむき出しクリーナーをカバーするような形状のエアクリーナーボックスも登場している。こういったものの場合、外気がダイレクトに導入され吸気温度は低く保ちやすい。また、容量自体も純正よりアップされていることが多く、ターボ車でのタービン効果のような大幅な吸入空気量アップにも対応しやすい。ハードにチューニングしていくなら、こういったものをチョイスするのが得策だ。
エアクリーナーは費用対効果に優れたチューン。純正交換タイプなら数千円でアクセルレスポンスが変わり、むき出しタイプでも5~10万円ほどで大きな効果を得られる、チューニングをこれから楽しみたい人にオススメできるパーツなのだ。