ワーゲンに乗り始める若者が増殖中!?
大昔は「ボロクソワーゲン」なんて悪口があったほど、そこらじゅうでゴミのような値段で売られていた時代もあり、そのころと比べれば「高くなった」と言われたりもするクラシックワーゲン。とはいえ、50年代のビンテージなレア物に手を出すのでない限り、60年代や70年代の個体は100万円台後半~300万円の間が多いので、若者でもそれなりに腹をくくれば無理なくローンで買える範囲内だ。
この日、1966年式ビートルに乗ってやってきた川添佑太さんは22歳。この春に就職して、速攻でビートルを購入! 納車まもない愛車にお父さんを乗せての参加である。じつはこのお父さんは若いころ、クラシックワーゲンを3台ほど乗り継いでいたのだが、結婚して佑太さんが生まれることになり手放したのだそう。それから20余年を経て息子さんがVW乗りになったということで、とても嬉しそうだった。
パステルグリーンの63年式ビートルで古着を売っていた風間佳さんは30歳。もともとマークIIワゴンに乗っていて、旧車系のいろいろなイベントに参加しているうちにワーゲンが好きになり、3年前からビートルを増車したのだという。「国産旧車とくらべてワーゲンはパーツ問題がラクなのがいいですね」
こちらも30歳のDSKさんは、まさにキャルな雰囲気の黄色い72年式カルマンギア・コンバーチブルに乗ってもうすぐ丸2年。その前は新しめのゴルフに乗っていたそうだが、周りに空冷VW乗りが多く、カルマンギアが気になっていたタイミングで良い出物があったのだそうだ。
「いままでさまざまなクルマを車検の前にコロコロ乗り換えてましたが、ワーゲンは自分で手を入れられる部分が多くて飽きませんね」と語る。ローダウンしてナロードしてホイールもマフラーも交換、シートからフロアマットまで内装も自分で張り替え、ダッシュパネルも交換。まさにホビーカーとしてイジって遊んでいるのだった。
30歳トリオの3人目はMC5143(インスタ名)さん。個人売買で安く買ったという63年式ビートルは、カサカサ塗装のいわゆる「パティーナ」スタイルだが、じつはコレ、わざと狙ったエイジング塗装の一種。
「買ったときはグレーのボディにほぼノーマル仕様でしたが、ローダウンしてフロントは8インチナロード、リヤにドロップスピンドルを入れました。カルマンのBSKさんとふたりで駐車場で作業してビームを取り替えたりしてます」とのことで、オリジナルペイント風も自力。好みのスタイルにするためのパーツやノウハウが豊富なのも、VWの魅力のひとつなのだった。