リヤタイヤ1本をチェーン駆動して軽快に走る
このイセッタのクルマとしてのデータを紹介しておこう。まず登録上は「三輪箱型」となっていて、車検証に記載のサイズは全長2350mm×全幅1390mm×全高1370mm、車両重量420kg。タイヤサイズはフロント2輪が135/80R10で、リヤの駆動輪はオーナーが少し太めの145SR10を履かせている。
BMW製の298cc単気筒OHVエンジンに組み合わされるキャブレターは元はBing製だったが、ダメになっていたのでケイヒン製に換装されている。そのパワーを後輪に2本のチェーンで伝達して走るわけだ。
「スピードはメーター読みで85km/hまで出ますけれど、一番気持ちよく走れるのは70km/hくらいですね。高速道路も走れます。ただ、新東名のようにフラットな路面だと問題ないですが、轍(わだち)があるようなところは3輪なのでフワフワしちゃいます」
ハイエースを基地に四国や北海道もイセッタ旅
青いブライトン・イセッタの助手席に奥さん、その後ろに犬を乗せて、ご自宅の岐阜県瑞浪市から長野県の木曽福島まで、片道100kmほどドライブして蕎麦を食べに行ったりしているという伊藤さん。この日の浅間サンデーミーティングには、ハイエース・グランドキャビンの後部にイセッタを搭載して参加した。3輪なのでラダーレールは3本必要だが、手慣れた作業で電動ウインチを活用しつつ、難なく積み下ろししている。
「この間もこれで四国一周してきました。メッサーシュミットだと2列目シートも外さないといけないのですが、イセッタだと後席をそのまま使えるので、荷物も積めるし、孫たちも一緒に連れてこれるんです」と伊藤さんはにこやかに語ってくれた。お孫さんたちもイセッタのシートはお気に入りの様子だ。
かわいらしいイセッタは、浅間サンデーミーティングの参加者による投票でこの日の第3位に入賞。伊藤さんファミリーは記念品を受け取って、楽しそうに帰路についたのだった。