オーナーが個々に愛車の目印をつくったのが始まりだった
ルーツを探ってみると1910年から1930年代にかけて流行した100年以上の歴史がある装備なのだが、当初はブランドを示すエンブレムではなかった。ロールスロイスの「スピリット・オブ・エクスタシー」(別名フライングレディ)は、個人的に作ったものがメーカー首脳陣の目に止まって正式採用されたものだし、目印やお守り的な意味合いもあった。また、愛車を飾るオリジナルアクセサリーとしても作られたものもある。
芸術品としても珍重され、フランスの有名なガラス工芸作家であるラリックも、ガラスでフードマスコットを作っているほど。ちなみに豊田市の近くにあるトヨタ博物館はラリックが手掛けた作品をすべて収蔵している世界的にも稀有な存在となっている。装着例は減ったとはいえ、自動車の歴史において重要なパーツであると言っていい。