5代目(B11型/1981年):「魅力フルサイズ」
この世代の大きなトピックは、駆動方式がFRからFFに切り替わったこと。また車名も、それまでのダットサン・サニーが、この代から日産サニーに。カタログにはなんと若かりしころの松阪慶子と時任三郎が起用されている。写真のカタログは1982年9月のもので、ターボ、ディーゼルの登場や、クーペのターボルプリの紹介も。「クオリティセダン」、「ナイスフィーリング」などイメージ寄りの見出しが展開された。
6代目(B12型/1985年):「TRAD SUNNY」
ふたたび直線基調のスタイリングとなって登場したのがこの6代目だった。「TRAD SUNNY」は有名なキャッチコピーで、サブで「質感が、あったかいね。つくりが、ていねいだね。カタチが、キレイだね。」などとも書かれている。実車はボディ剛性、サスペンション性能などに、VWサンタナのノックダウン生産のいい影響を感じた仕上がりだった。4WDモデルも設定された。
7代目(B13型/1990年):「わかった人が乗っている」
6代目のカドを丸くしたようなスタイリングに一新されたのがこの7世代目。このころに前後して登場した日産車にはS13シルビア、P10プリメーラなど名車が多いが、このサニーもそうした流れを感じさせる、誠実に基本性能を磨いたクルマになっていた。白地にスマートに写真を配置、イメージカラーをライトグリーンにするなど、まるでS13シルビアを倣ったかのようなカタログだった。
8代目(B14型/1993年):「12マイルズサニー」
「12miles SUNNY」と銘打ったこの8代目はそれまでのクッキリとした3ボックススタイルからやや趣を変えて、パッケージングのよさが目でも分かるスタイルに一新された。全高は7代目に対して10mmだけ高い1385mmに。「いっぱい心地よい」「いっぱい走ろう」「いっぱい安心」「いっぱい楽しい」と、ややクールに見えるクルマに親しみを覚えてもらおう……そんな意図を感じる見出しの数々が並ぶ。
9代目(B15型/1998年):「完成度という理想へ」
「完成度という理想へ、新サニー誕生」と、カタログを開くとこの世代で日本市場でのサニーが最終となることを予言しているかのようなコピーが目に入ってくる。新世代プラットフォームを採用し、新フロアパネル+新エンジン&ミッション、新サスペンションなどの紹介も。クルマとしては落ち着いた大人の雰囲気を出していたが、現実的にもユーザーの年齢層も高まりをみせていた……。