○:キャプテンシートの「中寄せスライド」が可能になった
だが、このあたりは先代と大きくは違わない。アウトドア対応での先代とのもっとも大きな違いは、じつは2列目キャプテンシートのアレンジにある。先代はベンチシートより贅沢なかけ心地、居住感覚が得られる2列目キャプテンシートを選ぶと、クラスで唯一、中寄せスライドができなかった。そのため、2~3列目席フラットアレンジをしても、幅狭なシングルベッドを空間を開けて2台並べたようなベッドスペースになってしまう。例えば両親の間に子ども、ペットというような就寝(仮眠)フォーメーションをとることはできなかった。
しかし新型ステップワゴンの2列目キャプテンシートは中寄せスライドが可能になったため、長さ2040mm! 総幅1030mmのセミダブル的ベッドスペースが実現しているのだ。ベッドとしてだけではなく、車内をリビングスペースとしてアレンジするにも適しているというわけだ。
ちなみにライバルの新型ノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシートは、中寄せスライドなしで行えるストレート超ロングスライドができるようになったものの、逆にキャプテンシート2席を中寄せすることはできず、アウトドア対応性としては後退しているのである(もちろん、2列目ベンチシートを選択すれば解決するが)。
×:AC100V/1500Wコンセントが選べなくなった
ただし、新型ステップワゴンのアウトドア適性が新型で後退している部分もある。それは、先代ハイブリッドモデルにオプションで用意されていた、車内外でコーヒーメーカーや簡易電子レンジ、照明などの家電品が使えるようになるAC100V/1500Wコンセントが、オプションとしてもなくなったこと。ノア&ヴォクシーのハイブリッドモデルにはあるだけに、ちょっと残念。この一大アウトドアブームの最中だけに、復活を望みたいところだ。
よって、新型ステップワゴンのアウトドア適性は一進一退というところだろうか。もっとも、アウトドアフィールドへのアクセスの快適性は、車内の圧倒的な静かさから、群を抜いていることは間違いない。