「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて祝賀パレード
6月26日までイギリスにて開催されているヒストリックカーの祭典「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」において、ベントレーは10台のパレードを行った。これは、ターボチャージャー搭載グランドツアラーを作ってきた40周年を祝うもので、採用当時には大胆な一歩であった。
老舗ブランドにターボが新たな息吹を与えた
1982年のジュネーブモーターショーで、ベントレーは史上初のターボチャージャー搭載の市販モデル、「ミュルザンヌ・ターボ」を公開した。この4ドアセダンはベントレーの転機となり、当時「ブロワー・ベントレーの再来」という見出しで報道された。
1970年代後半にベントレーの販売台数は減少して存在感が薄くなりかけていた時期、会長のデイビッド・プラストーはチーフエンジニアのジョン・ホリングスに「楽しもう」という課題を与えた。1959年以来、唯一のパワートレインである6.75L V8エンジンにターボチャージャーを搭載することを提案したのだ。
自然吸気で200psだったV8エンジンの出力は300psに跳ね上がり、ミュルザンヌ・ターボは当時のフェラーリを凌ぐ加速力を手に入れた。そして1985年には、ハンドリングとロードホールディングを大幅に改善した後継モデル、「ターボR」が発表された。こうして、ベントレーの歴史に新たな1ページが刻まれたのだった。
ベントレーの魅力である強大なトルクを支えるターボ技術
今日、ターボチャージャーはシティカーからスーパーカーまで、普遍的に採用されている。しかし1982年当時、ベントレーがこの技術を採用したのは大胆な一歩であり、大きな収穫を得ることになった。自動車史家のエリック・ダイモックに言わせれば、「ベントレーの魂を取り戻す」決断だったのだ。
最初のターボ搭載ベントレーから40年、ベントレーのエンジンの特徴である強大なパワーとエフォートレスなトルクは、ターボと切っても切り離せない関係になった。今日のW12、V8、V6エンジンはすべてターボチャージャーの恩恵を受け、驚異的なレベルの性能と効率を実現している。
ベントレーモーターズは今回グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて、ヘリテージコレクションから7台のターボチャージャー搭載モデルを展示。また、最高出力659psの「コンチネンタルGTマリナー」や最高出力550psの4.0L V8を搭載する最新「S」モデル3台を含む現行シリーズの主要モデルも併せて展示した。
ターボ搭載ベントレーのパレード
グッドウッドに集結した10台のターボチャージャー搭載ベントレーは以下のとおり。
1991 ターボR
2001 アルナージ・レッドレーベル
2003 コンチネンタルRマリナー・ファイナルシリーズ
2010 ブルックランズ
2010 ミュルザンヌ
2011 コンチネンタル・スーバースポーツ
2014 コンチネンタルGT V8 S
2022 コンチネンタルGTC S
2022 フライングスパーS
2022 コンチネンタルGTマリナー