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やはり紙がイイ! コレクターも唸ったデジタルでは味わえない個性派カタログたちの魅力

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

車体色に合わせて表紙の色を変えたこだわりモデルも

 カタログで珍しい例としては、すでに生産が終了してしまったVWザ・ビートルでは、何とボディ色分の表紙の色だけ違えたカタログを用意した例があった。揃えたくなる性分の筆者はもちろん全色をいただいて保存しているが、中身はまったく共通で、かなり手間ひまかかった作り方だったと思う。

ビートルのカタログ

 表紙の色が変えられた例ではほかにもマツダのNAロードスターの例があり、改訂版ごと、あるいはマイナーチェンジごとに輪番(?)で表紙の色が別のボディ色に変更。限定車のリーフレットでは、当然ながらその限定車のボディカラーが表紙の色になっていた。

ロードスターのカタログ

 クルマのカタログはその時代ごと、メーカーごと、車種ごとのカラーが反映されているところが眺めているだけでも楽しい。さらに紙のカタログでは、紙の質感とか真新しい印刷の匂いなども含めた記憶として、いつまでも心のなかに残るものだと思う。それがウェブで閲覧可能なデジタルカタログになった場合、利便性は高くとも、タブレットやPCの電源を落とせば消えてしまう儚さが少々さみしい気がする。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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