2.4L直噴ターボ搭載で圧巻のパフォーマンスを発揮する「STI Sport R」
現行型レヴォーグに新たに追加された「STI Sport R」。外見こそ、これまでのSTI Sportとは大きな違いはないものの、走りの面においてはパワートレーンがこれまでのモデルとは別モノという、ハイパフォーマンスモデルに仕立てられている。おもな違いはエンジンが1.8L直噴ターボから2.4L直噴ターボへと排気量を拡大。それにともない最高出力が98psアップの275psとなり、最大トルクも+75Nmの375Nmと大幅にスペックを高めている。
初代レヴォーグのハイパフォーマンスモデルである2Lモデルと比較すると、数値こそ下まわってはいるものの、排気量拡大によって低速からの太いトルク感と圧倒的な加速力が魅力である。従来の2Lモデルではターボが過給してからは猛烈なパワーを感じさせたが、そのぶん低中速域でのトルク感の希薄さは拭えなかった。その点、新型レヴォーグの2.4Lモデルは「全域で速い」といった印象だ。
アンチCVT派も納得のダイレクトな変速を可能にするSPTを搭載
もちろん、パワーユニットの変更だけでなくトランスミッションも専用の「スバルパフォーマンストランスミッション」(SPT)が新たに採用されている。このトランスミッションは、機構こそ1.8Lモデルと同じチェーン式のCVTではあるが、高出力に合わせた大容量タイプになっているほか、ステップ変速やマニュアルモード時の変速スピード、レスポンスが大幅に向上。エンジンのスペック以上にトランスミッションが大きく進化したことを感じさせてくれる。そのキレの良さはもはやデュアルクラッチ式(DCT)のトランスミッションに匹敵するほどで、アンチCVTの人にこそぜひ一度試乗してもらいたい仕上がりだ。
VTD式AWDの採用で気持ちのいいコーナリング性能を実現
さらに、スバル自慢のAWDシステムも1.8Lモデルでは、通常時は前輪により多くのトルクを配分させ、誰でも扱いやすく、安定した走りを重視するアクティブトルクスプリット式AWDであるのに対し、2.4Lモデルでは旋回性を重視したVTD(Variable Torque Distribution)式AWDという、通常走行時は後輪により多くのトルク配分を行う方式を採用。いずれの方式も滑りやすい路面では前後50:50のトルク配分へと可変するが、ドライ路面などではこのトルク配分により気持ちの良いコーナリングが体感できる。
ほかには細かい部分ではあるが、メーター内部に表示されるブースト計表示が2.4Lモデルの特徴。また、足まわりに関しては1.8LモデルのSTI Sportでも好評のZF社製電子制御可変ダンパーを採用しており、セッティングなどは同一となっている。