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長く乗り続けるなら避けては通れず! 素人では判断が難しいオーバーホールのベストなタイミングをプロが解説

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web

  • エンジンオーバーホールのイメージ

  • ピストンイメージ
  • コンプレッション測定
  • エンジンオーバーホールのイメージ
  • トランスミッションのイメージ
  • ブレーキフルード交換イメージ
  • ダンパーのイメージ

長く乗り続けるためには避けては通れない……

 クルマというのは走行するに従って消耗品を中心に機能が低下したり、劣化していくもの。走らなくても時間の経過でも同様で、いずれにしてもそれは避けようがない。そうなると、交換できる部品は新品にして機能を回復させ、好調を維持しながら安心して乗り続けることになる。

 この際、部品単体で交換ではなく、エンジンやミッションなどになるとオーバーホールすることもある。消耗品の場合は点検すると劣化が確認しやすかったりするが、問題はオーバーホールだ。ほとんどは劣化がゆっくりで、次第に機能が低下するため、オーバーホールが必要になっても気が付きにくいことが多かったりする。リフレッシュするタイミングをどう判断すればいいのだろうか?

エンジンの力強さや燃費が悪いと感じたら黄色信号

 まずオーバーホールの代表格、エンジンから見ていくと、症状の代表格としてはパワーや燃費の低下で、新車のころと比べるとなんだか今ひとつというのはきっかけとなる。白煙を吹いたり、我慢できないほど異音がするならば即オーバーホールしなくはならない。また、フィーリングなどに問題がなくても、オーバーホールの有無を判断する手としてコンプレッション測定がある。

コンプレッション測定

 コンプレッションとは圧縮圧力のことで、エンジンが元気ならピストンなどからの漏れが少ないため、圧力は高くなる。逆にピストンリングやバルブの気密性が落ちると圧力が抜けてしまうため、数値も落ちてしまう。コンプレッションゲージと呼ばれる専用の測定機器を使ってすべての気筒を測り、車種やエンジンごとに設定されている基準値より下まわっていればオーバーホールとなる。

ピストンイメージ

 エンジンのオーバーホールの場合、実用エンジンでも50万円以上かかることがほとんどで、完璧にするとなると分解洗浄、測定、部品の調達、組み上げで1カ月以上かかることもざらだ。

 また、最近のエンジンで要注意なのが、オーバーホールに必要なオーバーサイズのピストンの設定がないこと。つまりシリンダーが大きく摩耗している場合は基本的にオーバーホールが不可能ということになってしまう。オーバーホールさせないで使い捨てというイメージもあるが、品質や精度が上がってオイル管理さえしっかりとやっていれば摩耗しにくいので、正確に言えば、最近のエンジンではオーバーホールは必要ないということだろう。

駆動系で数値には表わせないものはフィーリングで確認

 エンジンの次に大物なのが、トランスミッション。そしてFRや4WDであればデフだろう。これらはエンジンのように数値で判断することができないものの、比較的わかりやすく、トランスミッションはマニュアルならシフトの入り具合。ATならシフトショックや変速の引きずりなどが出たときだ。デフはバックラッシュが大きくなってアクセルのオンオフに合わせてカコンという音が大きくなったらオーバーホールを考える必要が出てくる。

トランスミッションのイメージ

 そのほか、油圧のパワステやラジエータ、クラッチなども症状が伴うので、オーバーホール時期はわかりやすい。これらのなかではエンジン同様、品質の向上によって実質的にオーバーホールが不要になったものも多いが、その中間にあるのがブレーキだ。フルード交換を定期的に行っていれば、走行距離10万kmでも内部にサビや腐食が出ることはない。逆に怠れば、フルードは吸湿性があるので内部に腐食が発生し、分解してオーバーホールが必要になることもある。ただし、あまりにひどいと再生不可となって、新品交換になってしまうこともある。

ブレーキフルード交換イメージ

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