クラシック・フォルクスワーゲンのドラッグレース大会がもてぎで開催
6月26日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎ(3月にツインリンクもてぎから改称)にて、クラシック・フォルクスワーゲンたちが直線コースをヨーイドン! で競争するドラッグレースのイベント、「VW Drag In 15th」が行われた。かわいいワーゲンたちがヤンチャに走る様子とともに、参加者最高齢にしてクラス優勝を果たしたオーナーをご紹介しよう。
スタートダッシュを極める豪快なモータースポーツ
「ドラッグレース」という言葉は耳慣れない人も多いかもしれないが、かつて日本では「ゼロヨン」とも呼ばれていた。2台のクルマが直線のコースに並び、1/4マイル(約400m)の加速を競う、シンプルイズベストなアメリカ発祥のモータースポーツだ。
大排気量のエンジンを積んだマッスルカーのイメージが強いドラッグレースではあるが、じつは「ビートル」や「バス」といった、空冷水平対向4気筒エンジンを搭載するクラシック・フォルクスワーゲンの世界でも人気の競技であることをご存知だろうか。
昔のVWはリヤエンジン・リヤ駆動(RR)でスタート時のトラクションに恵まれた構造であり、ボディは軽量、シンプルなエンジンはイジればイジるほど、面白いようにパワーアップ可能。チューニングを極めれば、かわいいビートルで恐竜のようなマッスルカーを「食う」ことも夢ではない……。長年にわたりチューニングのノウハウが蓄積されていて、日本国内でも、カリッカリのドラッグレース専用ワーゲンが何台も存在しているのだ。
伝説のビートル・レースカーもコースを爆走!
今回のドラッグレース「VW Drag In 15th」は、カリフォルニア・スタイルのVWカスタムとレースを愛好する団体「staginglane.net」が主催。栃木県にあるサーキット「モビリティリゾートもてぎ」のオーバルコースのホームストレートを使い、1/4マイルではなく1/8マイル(約200m)でタイムを競う、ハーフドラッグレースとなる。
記録的な炎天下をものともせずに全国から集まった約50台のVWは、ナンバーの付かないレース専用マシンから、公道走行可能の範囲での速さを追求したストリートマシン、平和な街乗り仕様まで、じつにさまざま。エンジンの排気量や使用タイヤ、タイムによってクラス分けされていて、それぞれのカテゴリーで切磋琢磨を楽しんだ。
なかでもこの日ギャラリーの注目を集めたのは、横浜のVW専門ショップ「FLAT4」が持ちこんだ「Inch Pincher Too!」という名のカラフルなマシンだ。1970年代初頭、アメリカでVWのレースカーとして初めて、屋根を切り詰めて低くしたチョップトップ・スタイルでドラッグコースでのタイムを更新し続けたマシンが原型で、オリジナルの個体はもはや現存していない。
1993年にFLAT4がレプリカを製作し、さらについ最近、リペイントのみならず細部に至るまでより忠実に当時を再現してリニューアルしたばかり。そんなInch Pincher Too!が初めて実際にドラッグレースを疾走し、伝説の名レースカーのスタイルとスピードを披露したのだった。