ヒエラルキーの象徴であるはずのクルマでも
なぜか軽キャンパーは憧れの存在!?
クルマとは不思議なもので、乗っている車種によって「格付け」されてしまうことも少なくない。それは良い例でも悪い例でも同様で、テレビのニュースでは「容疑者は高級外車を乗り回し……」や「高級車を数台所有している模様……」など、犯罪には関係ないことで煽られることもある。懐かしきバブルの時代には「彼氏が乗っているクルマ」が女性たちのステイタスとなり、「彼氏は何のクルマに乗っているの?」と熾烈なマウントの取り合いが繰り広げられていたことを思い出す。
その伝統は現在も姿を変えて継承され、ママ友のなかでは子どもの送り迎えやサッカー教室の送迎では「アルファード/ヴェルファイア」に乗っていることがステイタスであり、さらにグレードによって競い合っているとの噂もある。数年前、東京オリンピック2020を記念した軽自動車の白ナンバーも同様で「それほどオリンピックを応援しているワケではないけど、黄色いナンバーだと軽自動車だと馬鹿にされるので白いナンバーを選びました」という人も多いと聞く。
豪華さよりも“コンパクトで使いやすい”が最大の賞賛になる軽キャンパー
クルマはブランドや車格によってヒエラルキーの対象になってしまうのが常だが、こと『キャンピングカー』に目を向けると「高価」や「大きい」、「贅沢」という部分での優劣は大きくない。上は数千万円級のモーターホームから、200万円程度の手軽な軽キャンまで価格帯に大きな幅があるにも関わらず、ヒエラルキーは存在しないのは不思議な現象と言えるだろう。
確かにF1でも使用されている大型トラックをベースにした、高級ホテルのようなモーターハウスはすごいとは思うものの、欲しいと思う人は少ないはずだ。同様に国土の狭い(道路も狭い)日本で大型のバスコンやトラコンを手に入れても持て余してしまうのが関の山であり、決してヒエラルキーの頂点に君臨することはない。最近は有名芸能人である岩城滉一さんやヒロミさんも軽トラックにテントを装備した軽キャンを楽しんでいるように、実用を重視しながらも「遊びの道具」として小回りが利く軽キャンパーこそが最適なチョイスになりつつある。