すべての人に優しいMクラスボックス型ミニバン
新型ホンダ・ステップワゴンは、高齢者や介助が必要な家族とともにドライブに出かけるにも最適なMクラスボックス型ミニバンと言っていい。なにしろ、本カタログにしっかりと幅広いタイプの福祉車両が掲載されているほどなのだ。その種類は車いす仕様車として2列目乗車タイプ、3列目乗車タイプ、2/3列目乗車タイプ、さらにはスライドドアからスムースに乗り降りできるサイドリフトアップシート車の4種類。
車いす仕様は電動ウインチも標準装備
車いす仕様車は出し入れがしやすく収納もコンパクトに収まるアルミ製スロープを用い、電動ウインチを標準装備。床はステップワゴンとして懐かしい、フラットで掃除もしやすいフローリングタイプとなる。また、3列目乗車タイプを例に挙げると、ステップワゴンならではの3列目席床下収納方式=マジックシートによって、爽快な視界が確保され、隣に人が乗ることも可能である。これなら介助されるほうも介助するほうも、安心してドライブが楽しめることになる。
こもり音がほぼない、Mクラスボックス型ミニバンとして静かすぎる室内空間は、高齢者、介助が必要な人を含め、すべての人に優しい多人数乗用車として完成されている点も、会話のはずむ移動を可能にしてくれるというわけだ。
シートに腰かけたまま乗り降りさせてくれる親切機能!
さて、ここではスライドドアからシートに腰掛けたまま2列目席左側席に乗り降りできるサイドリフトアップシート車を実体験してきたので、そのレポートをお届けする。
サイドリフトアップシート車はリモコンでの操作によって、まずはスライドドア開口部から2列目席キャプテンシートタイプのサイドリフトアップシートを外に出し、そこに乗車。そのあとがすごく、実測で開口幅760mm、開口高1260mmのスライドドアの開口部から、まるでロボットのように、センターピラーや助手席に接触しないよう、電動でサイドリフトアップシートを2列目席助手席側の定位置まで、見事な電動動作で動かしてくれるのである。
もちろん乗車中の快適さにも抜かりなし
動作はスムースかつ静か。足元には新型ステップワゴンの注目点であるオットマンならぬステップが備わり、足の置き場(ブラブラしなくて済む)もあり、乗る側の姿勢や足元の置き場にも見事に配慮されているからうれしい。もちろん、シートそのもののかけ心地も新型ステップワゴンのキャプテンシートに準じているから快適そのものだった。新型ステップワゴンは福祉車両も極めてユーザーフレンドリーなMクラスボックス型ミニバンだったということだ。
なお、新型ステップワゴンの福祉車両はガソリン車のスパーダに用意され、車いす仕様車は355万5000円~。ここで試乗したサイドリフトアップシート車は339万6000円~となる。消費税は非課税である。