キャンプもペットとの移動も余裕でこなせる室内空間
カングーがファミリーカー、アウトドア御用達カーとして日本でも愛されている理由の大きなポイントが、室内空間の広さ。居住空間は国産ボックス型ミニバン並みに広大だ。身長172cmのドライバー基準で前席頭上に350mm!(だから頭上に物入を設置できる)後席頭上に285mm、膝まわりに190mmものスペースがある。とくに後席のシート幅は、例えばセレナの2列目席セミベンチシート状態よりも35mm幅広く、ソファ感覚のかけ心地の良さもあって、じつにゆったりと座れるのである。
ラゲッジルームにしても、ボディ後部がボックス型ゆえのスクエアなスペースを備え、積載性もまた抜群なのである。結果、国産ミニバンから乗り換えても、満足度は極めて高いということになる(現行モデルにパワースライドドアは付かないが……)。
ちなみに2018年に開催された「インターペット」では、ルノー・カングー・ゼンEDCをベースにした限定車「ルノー・カングー・ウィズペット」(10台限定。279万9000円/当時)が披露されていた。
ドッグアクセサリーも充実し、愛犬家を唸らせていたことを思い出す。愛犬とのアウトドアにカングーで出掛ける……最高ではないか!
日本中に熱狂的なファンがいるのでアクセサリーも豊富
というわけで、輸入車にして200万円台半ばの価格設定もあって、日本でもアウトドア派を中心に根強い人気を保ち続けてきたのである。その裏付けが、カングーの熱狂的なファンの多さから、毎年、世界一と言われるカングーのお祭り「ルノーカングージャンボリー」が開催されていること(コロナ禍で一時中止していた)。直近の2019年に山中湖で開催された「ルノーカングージャンボリー」には1700台を超えるカングーと5000人を超えるカングーオ―ナーやその家族、カングーファンが全国から集結。フレンチテイストあるアウトドア感あふれるカングー祭りに盛り上がったのだ。
そうした一大イベントがあり、参加する楽しみが得られるのもカングーならでは。カングーがアウトドア派に愛されるきっかけになったとも言えそうだ。現行モデルの販売はすでに終了し、やや丸みを帯びた新型が2022年後半に導入されると公式にアナウンスされているが、ハード面にとどまらない魅力は、これからも衰えることはなさそうだ。