経験者はスマートにキャンプを楽しんでいる!
これまで「初心者キャンパー」に向けたHOW TOを数多く紹介してきましたが、じゃあ上級者ってどんなことをやっているの……という疑問を持っている人も多いと思います。基本的にキャンプは初心者であれ上級者であれ、“やること”は同じ。テントやタープを張って、道具を使ってキャンプを楽しむというシンプルな趣味ですから、それほどの違いはありません。
しかし、キャンプ場で拝見する上級者さんたちは神々しいオーラを放ちながらキャンプを楽しんでいるように見え「何が違うんだろう」……と不思議な感覚に陥ってしまいます。趣味であるキャンプに“初心者”、“上級者”などと区別をするのもおこがましいことではありますが、今回は便宜上として使わせていただきます。
上級者は自然を大事にすることを一番に考える
キャンプは十人十色、キャンパーの数だけ楽しみ方が存在するのは周知の事実ですが、やはり上級者たちはキャンプに対する考え方が違っています。キャンプという趣味に向き合うのではなく、「自然のなかで遊ぶ」、さらには「遊ばせてもらう」、「自然の一部を使わせてもらう」という謙虚な姿勢を持っている人が多いように感じます。自然に対して感謝をすることでマナーや道徳を重んじる気持ちが育まれ、「ゴミを捨てない」、「他人に迷惑をかけない」、「自然にダメージを与えない」、「ルールを守る」という当たり前のことが身についていくのかもしれません。
キャンプという狭い視野で行動すると、どうしても自分優先になり、ほかに目を向けることができなくなります。多くの上級者たちはキャンプとは自然を楽しむための手段であり、キャンプを目的にはしていません。その余裕や懐の深さを持つ人こそが上級者としての余裕に繋がっているのです。キャンプを楽しむために自然を学び、天候や地形によるリスクやメリットを考え、木々の名前や動物、昆虫にも興味を持つ。テントの中から外を見るのではなく、自然の中からテントを見ることが重要です。
基本を大事にすることが上級者への近道
上級者は基本的、基礎的な作業を大切にしていることが多く、テントを張るときにもロープワークの美しさにこだわり、フライシートにシワを作らないように工夫するなど、初心者であれば面倒くさいことをあえて楽しんでいるようです。
焚火をする場合にも、薪を丁寧に割り、着火剤を使うことなく自分なりのテクニックを使って火を起こす。薪をくべる順番も油分が多い針葉樹の薪から燃やし始め、途中から火持ちの良い広葉樹に変えていく。薪の種類(木の種類)や太さにもこだわり、どういう組み方をすれば美しく燃焼させることができるのかなど、面倒な事を楽しみに変える術を身に付けているのが大きな特徴。
筆者は早く焚火をしたいがために、大量の着火剤を使ってしまうことも多いのですが、達人の域に達した友人は薪をナイフで細かく削り、フェザースティックをニヤニヤしながら作って着火を楽しんでいます。その姿には少し引いてしまいましたが、カッコ良くも見えてしまいました。