せっかく手を入れても家族から総スカンでは……
チューニングで得るモノがあれば失うモノもある。マフラー交換で排気効率をよくすれば静粛性を、車高調などでローダウンすれば乗り心地を……。自分しか使わない趣味のクルマなら気にする必要もないが、家族と共用していたり深夜の帰宅が多い人はそうもいかない。
だからといってチューニングを諦めるのは早計にすぎる。確実に性能がアップしつつ同乗者や周囲には気付かれにくい、魔法のようなメニューやパーツはいくらでも存在するのだ。
【ECU】見た目が変わることなく愛車の性能を底上げ可能
なかでもとくに効果を体感しやすいのはECU。スピードリミッターのカットにレブリミットの引き上げ、燃調や点火時期をイジればパワーもトルクも向上するし、いずれ仕様が変わってデータの書き換えで対応できる。
社外品のマフラーやエアクリーナーを前提にしている商品も多いが、現車セッティングなら純正の吸排気系に合わせることが可能だし、レギュラーガソリン仕様やパワーより燃費を優先した仕様なども。
【エアクリーナー】純正形状なら見た目は変わらず
エンジン系なら純正交換式のエアクリーナーもいい。剥き出し型は吸気効率こそ高いが音も見た目も大きく変わり、車種によってはエンジンルームの熱を吸い込みやすかったり、ろ過性能が優れているためフィルターの交換サイクルは短くなる。しかし純正交換式はフィルターだけを取り替えるので、ルックスはまったく変わらないうえ熱害の心配もない。
【ローポジションシートレール】わずかな違いでも運転しやすくなる
室内では純正シート対応のローポジションレール。バケットシートまでは必要ないもののアイポイントを下げたい、せっかくの純正レカロを活かしたままポジションを低くしたい、なんて人はシートレールだけの交換が手軽かつコスパも絶大だ。製品にもよるが平均すると20~30mmのダウンで、シート本体は変わらず見ただけでは気付きにくい。
【クイックシフト】ダイレクトなギヤチェンジが可能に
同じく室内ではクイックシフト。MT車が減っているせいで使えるクルマは限られるが、シフトのストローク量を減らして素早くギヤチェンジし、タイムアップやフィーリング向上に繋がるパーツだ。ただしミッションの負担が大きくなってしまったり、純正よりシフト操作に力が必要というデメリットもある。サーキットをよく走るならともかく、街乗りメインなら恩恵は少ないかもしれない……。
チューニングは音や見た目の変化を楽しんだり他人に個性をアピールするのも醍醐味だが、ココで紹介したパーツを駆使して『羊の皮を被った狼』に仕上げるのも面白い!