ひと括りにはできない世代違いの旧車選び
旧車を選ぶべきかネオクラ旧車をチョイスするべきか。これから趣味車(旧車)を買おうと思っているクルマ好きにとって、どちらを選択するのが正解なのか? という問いは大いにアタマを悩ませる問題だ。70年代の旧車には、その時代の味のあるスタイリングや走りは魅力だが、半世紀近くの年月を重ねているだけにトラブルの発生率は当然高くなる。
対してネオクラ旧車は急激にクルマが高性能化していく時代のモデルであり、エアコンやパワステなどの快適装備も備わり、運転にも特段気を遣いすぎる必要は少ない。つまり欲しいモデルを指名買いするのではない場合、車種選びのよりも先に旧車かネオクラ旧車か? という究極の選択に迫られるワケだ。
走り屋時代の国産ネオクラ旧車はオリジナルの個体が少ない
旧車とネオクラ旧車はオールドタイマーとヤングタイマーという言葉に置きかえることができるが、本稿では前者を1960~70年代に生産されたクルマ、後者を1980~90年代に生産されたクルマと定義する。筆者と同じ50歳以上の自動車趣味人にとって、ネオクラ旧車は最近のクルマといった印象だが、ラインオフしてからすでに30~40年ほど経過しているので、十分古典的なのだ。
あらためて説明するまでもなく、旧車にもネオクラ旧車にも国産車と輸入車が存在している。筆者の個人的な見解では、現在ユーズドカーマーケットに流通している国産旧車のなかには、オリジナル度が高く使い倒されていない個体も一定数存在するが、走り屋全盛期だった時代の国産ネオクラ旧車では、オリジナル状態をキープした個体は希だ。対して輸入旧車は各部が徹底的に仕上げられたクルマが多く、輸入ネオクラ旧車は今後、順次リセットされていくので、いまのところリーズナブルなプライスで流通しているといえる。