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「後付けクーラーキット」は旧車の救世主になるか!? 酷暑を乗り切るための秘策とは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/FLAT4/Auto Messe Web編集部

エンジンパワーを食わない電動コンプレッサーがいま注目!

 そして、技術の進歩とはスゴイもので、最近になってエンジンのパワーを食わない電動コンプレッサーが出てきた。そこで早速、発電を強化したり、サブバッテリーを積んだりして、後付け電動クーラーキットを装着することがクラシックカー界全般で流行ってきている。電動コンプレッサーの取り付け場所はエンジンルーム以外でも可能なので、フロント部が重くなる、ボンネット内の故障箇所が増えるというデメリットからも解放されるのであった。

 後付け電動クーラーキットは、電動コンプレッサー、コンデンサー、エバポレーターなどを納めるスペースがあれば取り付ける車種を選ばないところが魅力で、旧知のクルマ仲間である水町さんから愛機のホンダZ600に装着した(!)との連絡があった。下記が彼からの最新レポートだ。

水町さんのホンダZ600

ホンダZ600に電動クーラーキットを装着してみた

「75~80Aがメインバッテリー以外に必要になるため、それなりの発電量があるオルタネーターに交換する必要があります。自分の場合、小排気量の旧車であり、高発電量のオルタネーターへの変更は困難であったことから、バッテリーの容量のみで駆動するクーラーと割り切って使用することを前提にして取り付けを行いました。私が電動クーラー用に搭載しているバッテリーは90D26Lです。先日、断続的とはいえエアコンとして3時間(14:30~15:30/16:00~18:00)、そして、さらに送風機として40分ほどは問題なく使用できることが確認できました」

クーラー用とメインのツインバッテリーは荷室に移設

「肝心のクーラーとしての冷却能力については、16:00~18:00の使用時がすでに外気温がだいぶ下がった状態だったので、真夏の暑さでの効果を保証できるものではありませんが、少なくとも3時間テストにおける使用条件下では、冷風が出ることを確認できました。まあ、課題はあるものの、やはり、クーラーが装着されていないクルマに比べれば十分意味はあるものと自己満足しています」

「また、26Lサイズのバッテリーであれば、調べたところ性能ランクは125のモノも存在するようなので、さらなる時間延長の可能性もあると感じました。帰宅後にバッテリー上がりを防ぐためにトリクル充電しているのですが、2時間の使用時には3日ほどで充電できましたが、今回は4日かかりました」

 車中泊時などに活用できるポータブルクーラーの性能が年々上がってきているので、夏場だけそれを使えないか? と模索しているクラシックカーユーザーもいるようだ。後付け電動クーラーキットはネット通販で6万円~10万円程度と安価であることと、クルマ用である点がアドバンテージであり、これからの主流になるかもしれない。取り付けはプロにオーダーするかDIYで自己責任にて行うしかないが、知識と技術のある人はトライする価値があるだろう。熱中症に気をつけながら、涼しく快適なサマードライビングを愉しんでほしい。

バッテリーのみでの駆動でも3時間は使用できるとのこと

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  • 筆者の1974年式アルファロメオGT1600ジュニア
  • 三角窓さえあれば快適だったのは20世紀まで
  • VWビートルには昔から様々な後付けクーラーが存在
  • 空冷VW用にFLAT4が販売している「VWオリジナルスタイル アンダーダッシュエアーコンディショナーKIT」のセンターマウントエバポレーター
  • 水町さんのホンダZ600
  • クーラー用とメインのツインバッテリーは荷室に移設
  • バッテリーのみでの駆動でも3時間は使用できるとのこと
  • FLAT4 エアーコンディショナーKIT
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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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