4代目でスバル初のカーオブザイヤーを獲得
[BP型・2003年5月発売]
続く4代目(BL・BP型)は、2003年5月に登場。スバルとして初めて日本カーオブザイヤーに輝くほど評価が高く、3ナンバーサイズながらも大きすぎないディメンションと、3代目に対してステアリング切れ角の拡大による扱いやすさ、徹底した軽量化による運動性能の向上により、登場から約20年を迎える今でも根強い人気を誇る。パワーユニットは変わらずEJ20としながらも、タービンはこれまでのシーケンシャル(ツイン)仕様からシングル仕様に変更。さらにNAモデルの出力向上や6気筒モデルにMTを設定するなど、ラインアップも幅広く展開していたのが特徴だ。
肥大化が賛否を呼んだが実用性は大幅に向上
[BR型・2009年5月発売]
そしてレガシィツーリングワゴンの最終章となった5代目(BM・BR型)は、2009年5月に登場した。米国市場も視野に入れたグローバルモデルとして、ボディサイズと排気量を拡大。これまで2Lモデルを主力としてきたレガシィは、2.5Lを中心としたラインアップとなる。
後期型ではターボの主力モデルが2Lへと回帰するも、NAは引き続き2.5Lのみであった。組み合わされるトランスミッションは、登場時こそターボモデルに6速MTや5速ATの設定があったものの、後期型ではほぼすべてのモデルがチェーン式CVTの「リニアトロニック」となっている。
もちろん今やスバルの代名詞であり、完全停止まで行う運転支援システム「アイサイト」(Ver.2)を搭載。従来のレガシィファンからは肥大化したボディサイズが賛否を呼んだ。だが、ファミリーユースとしては広くて荷物も載り、アイサイトまで付いて安全で快適という5代目は、それまでスバルに乗ったことのない新たな層も獲得した。
スバリストが選ぶベストバイモデルとは……?
ここまで歴代モデルを振り返ったが、ベストバイモデルはどれかと言われると、スバリストとしてはどのモデルも魅力的ではあるものの、現実的には2代目までのモデルはほぼ中古市場でも目にすることは少なく、3代目以降のモデルから選択することとなる。なかでもギリギリ5ナンバーサイズの3代目は都市部でも扱いやすく、かつラゲッジの作り込みも秀逸で、2分割のサブトランク、ラゲッジネットなどの装備も充実。中古車価格もWRX系の同年式車両と比較すると、圧倒的にリーズナブルであるのもポイントだ。
4代目は前期型こそ手ごろな相場だが、程度の良い後期型は意外と中古車価格は高め。逆にコストパフォーマンスで言えば5代目の方がリーズナブルなぐらいだ。レガシィツーリングワゴンというクルマは、世代が進むにつれ、ターゲットとする購入年齢層も高まっているため、どの世代の人が購入するかでオススメモデルは大きく異なるので、じつに悩ましい選択といえる。