枚数によっても高出力への対応力が異なる
もうひとつの大きな違いはクラッチの枚数。純正がシングルなのに対し強化品はツインやトリプルがあり、枚数が増えるほど伝達能力は高くなりハイパワーに対応する。こういったマルチプレートのクラッチも昔は扱いにくさが代名詞で、渋滞で足を攣りそうになったり慣れた人じゃないと発進できない、なんて経験を聞いたり自ら体験したことがある人も少なくないはず。
しかし近年ではノーマルと同じ感覚とまではいわないものの、以前よりだいぶ扱いやすくなったマルチプレートも存在する。購入するときはプロショップや実際に装着した人の意見を聞き、愛車のパワーや使い方に見合った強化クラッチを選んでほしい。
ちなみにパワー系がフルノーマルの車両であっても、頻繁にサーキットを走るなら強化品を使って損はない。高い伝達能力でパワーを余すことなく伝えることができ、クラッチの切れやシフトフィーリングが向上したり、耐久性があり交換サイクルを伸ばすことも可能。クラッチ交換はトランスミッションの脱着などを伴い安くない工賃が発生するため、強化クラッチ自体が高くても長期的に考えれば安上がりとなるケースも多いのだ。