ロータス最小・最軽量の「119」シリーズ
自宅の裏庭などで、中古車のパーツを活用して手作りのスポーツカーを作る、いわゆるバックヤード・ビルダーは、第二次世界大戦後のイギリスで数多く見られた「自動車メーカー」のひとつの形であったが、そのなかでももっとも大きな成功を収めたのが、ご存じ「ロータス」だろう。革新的なクルマ作りで知られるそんなロータスが作った、動力源を一切持たないレーシングカーとは?
EVよりもエコなモータースポーツ「ソープボックスダービー」
欧米の人々は、レースが大好きだ。モナコGPやル・マン24時間、インディ500などに代表される「普通のレース」はもちろんだが、彼らはタイヤが付いてさえいれば、なんでもかんでもレースにする。大型のトラクター・ヘッド、農業用トラクター、果てはエンジン付き芝刈り機を使ったレースまで、ありとあらゆるもので競争する。
「ソープボックスダービー」、あるいは「ボックスカー・レース」などと呼ばれる、「動力を一切持たず、地球の重力のみで走るマシーン」によるレースも、わが国ではあまり馴染みのない欧米発祥のユニークなモータースポーツのひとつである。そんな風変わりなレーシング・マシーンを、マカオのミニカー・ブランド「スパーク」からかつて発売されていたミニカーを肴にご紹介しよう。
子どもの遊びから進化した伝統あるカテゴリー
わが国では馴染みの薄い「ソープボックスダービー」、あるいは「ボックスカー・レース」という言葉。ソープボックスとは名の通り石けん箱のこと。もともとアメリカの子どもたちが、石けんの運搬に使われていた大きな木の空き箱(昔の日本でいえば、木製のりんご箱といったイメージだろうか)に車輪をつけて、ソリのように坂を下って遊んでいたのがそのルーツと言われる。
1930年代初頭には、その遊びを見ていたアメリカの写真家マイロン・スコット氏が正式なレースとして企画。1934年には全米規模の「International Soap Box Derby(ISBD)」という団体が設立され、以来、7歳から20歳までの若者が速さを競う「ワンメイク・レース」として今なお盛況だ。