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どうしてブレーキパッドを新品にしたのに「異音」が発生するのか? ブレーキの「鳴き」の理由と抑制方法とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web

  • ブレーキ交換のイメージ

  • ブレーキパッドのイメージ
  • R35のブレーキパッド
  • ブレーキ交換のイメージ
  • グリス鳴き止め
  • パッド交換のイメージ

ブレーキチューンを施したら不快な音が……

 ブレーキパッドを耐フェード性の高いスポーツパッドに交換するのは、サーキット走行を楽しむためのマストチューニングだが、スポーツパッドに交換すると、「キー」と耳障りな音がすることも……。ブレーキを踏んだとき出る、「キー」という異音は、ブレーキの「鳴き」といわれるもの。

ブレーキパッドがローターを押さえつける際の振動が原因

 ディスクブレーキは文字通り、回転するディスクローターをブレーキパッドで挟み込んで、その摩擦力でクルマの運動エネルギーを熱エネルギーに変換して減速させるシステム。

ブレーキパッドのイメージ

 摩擦力が頼りなので、そもそも異音が出ない方が不思議なぐらいだが、国産車の場合、「鳴き」が出ないのが普通になっているのは、メーカーの努力のおかげといって間違いない。

 しかし、よく利くブレーキ=制動力が高いブレーキになれば、必然的にローターへの攻撃性も強まるので、「鳴き」が出やすくなる傾向に……。欧州車、とくにドイツ車などに「鳴き」出るクルマが多いのはそのためで、国産車でもチューニングカーでメタル系のブレーキパッドを入れているクルマは、「鳴き」が出やすい。

 ブレーキの鳴きについて、もう少し詳しく見ていくと、「鳴き」の正体は、パッドとローターが触れたことによる接触振動=音だというのがわかる。接触振動が原因ということは、どこかでその振動を吸収できれば「鳴き」は収まるわけで、純正ブレーキでは、パッドの摩擦材をソフトにして接触振動を吸収している場合が多い。

スポーツパッドでも制動時の音を抑えることは可能

 アフターのスポーツパッド、とくにメタル系は摩擦材が硬い分、「鳴き」が出やすいとされるが、スポーツパッドでも鳴きを押さえる方法はいくつかある。

 まずはパッドだけ新品に交換し、ローターは使用中のものを継続して使う場合。ローターが中古だと、ローター表面は微妙に荒れているので、新品の真っ平らなパッド表面と均一に当たらず、それが振動=鳴きの原因になることが多い。この場合、パッドとローターに馴染みがつくまで、ある程度走行距離を重ねて様子を見る方法がひとつ。

パッド交換のイメージ

 あとは、パッドの面取り加工を行ったり、鳴き止めシムの貼付けたり、パッドの裏板にブレーキグリスを塗布するのも有効。要はこのシムとグリスで接触振動を吸収させてやろうというわけだ。したがって、鳴き止めシムとブレーキグリスは、新品パッドに交換する際、確実に付けておくことが肝要。

グリス鳴き止め

 ローター表面がレコードのように波打っている場合は、交換時にローターを研磨するか、ローターも一緒に新品に交換するのが理想的である。また、いままで使っていた古いパッドの摩擦材がローター表面にまだら状に溶着して、そこに新しいパッドが引っかかり、鳴きを発生させていることもある。ローターの表面を軽くペーパーがけしておくのもおすすめだ。

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