カラバリ豊富でお手軽なフィルムはリスクもあるので注意
では具体的にどうやって色を付けるのか(もちろん合法で)。パターンは大きく分けてふたつ。「1:フィルム装着」「2:ガラス交換」のいずれかとなる。1から紹介していこう。
色付きのウインドウフィルムは昔からおなじみ。スモークフィルムと呼ばれたりもするが、それらは正確には黒やグレーのもの。ダークな色味ゆえ、ごくごく薄いタイプ以外は透過率70%以上を確保するのは困難。よってフロントガラスに貼れる色付きフォルムといえば、ブルーやグリーン、ゴールドといったカラー系がメインとなる。
有名どころでは「ウルトラヴィジョン」「ゴーストシリーズ」など。金属膜を用いたハーフミラーっぽいタイプや、フィルム自体は透明ながら色付いて見える構造発色タイプがある。角度によって青から緑に変わったり、ゴールドからピンクに変わったりと、オーロラのように変幻自在なのが特徴。インパクト大だ。
いずれにせよ、貼るだけなのでお手軽だし、イザというときは剥がせば元通りというのがメリット。ただし、素人が初めて施工してキレイに仕上がるほど甘くはない。プロに頼むのが無難で、工賃はフロントガラス1枚で2~3万円くらいが目安。施工は3時間~で終わるが、完全に乾燥するまでに夏でも2~3日、冬は1週間くらいはかかる。
また注意したいのは、たとえ商品が車検対応とうたっていても、透過率70%以上を確保できるとは限らない点。透過率は「ガラスに貼った状態で」計測されるため、いくらフィルム単体の透過率が高くても、ガラスに貼ったら70%を割る可能性もあるのだ。純正ガラスの透過率は、車種やグレードによって意外と差がある。
フィルムの耐用年数は3年~せいぜい5年くらいまで。経年劣化によって透過率は徐々に落ちてくるし、長期間貼りっぱなしだと固着して剥がすのが大変になったりもする。そう長くは使えないと思っておこう。
長く使えて車検も安心なフロントガラス丸ごと交換方式
続いて2のガラス交換。フロントガラス丸ごとの交換になるのだが、純正のようなグリーンガラス以外の色付きガラスとなると、「コートテクト」「ソーラーインパクト」の二択になると思われる。どちらも保安基準適合、車検も問題なく通る(※検査場の判断によっては弾かれる可能性もゼロではない)。ただし、あらゆる車種・グレードに対応しているわけではないので、詳細はWEBサイト参照のこと。
コートテクトは水色っぽいブルー系、ソーラーインパクトはシャイニングローズ(赤系)と色味は異なるが、金属膜を使っているのは共通。外から見るとハッキリ分かるレベルでガラスに色が付いている。もちろん室内からの視界が色付きになるわけではなく、クリアに見えるのでご安心を。UV&IRカット率も優秀なので、日焼けを防ぎたい、ジリジリした暑さを緩和したい人にもオススメだ。
金属膜タイプは電波もカットしてしまうのがデメリットながら、フロントガラス上部に金属膜をカットしたエリアを作り、そこにアンテナを再配置するといった対策法が採られている。また自動ブレーキのカメラがフロントガラスに付けられている車種については、それを移植することになるのだが、正しく作動するようにエーミングというカメラの調整作業も必須になる。工賃は2万円前後。
価格は車種によって異なるが、軽自動車で6~8万円、普通車で9~15万円あたり。純正フロントガラスと同等か、やや安価だ。取り付け工賃はエーミング作業を除くと2~3万円が目安。ガラスにヒビが入るなどして交換が必要になった場合、それを機にこうした色付きガラスを選ぶのも手だ。
メリットはフィルムのように剥がれたりしないこと、劣化しにくいこと、車検はまず心配ないこと。デメリットは元に戻しにくいこと、フィルムよりもコストが嵩むことなど。
まとめ:透過率70%以上を厳守し安心して色付きガラスを楽しもう
といった感じで、色付きフロントガラスもさまざま。街で見かけるクルマたちすべてがそうとは限らないが、今は合法でやれる手段がきちんとある。安心・安全に乗るためにも、「透過率70%以上」はクリアすべし。この透過率は専用の測定器で計測するのだが、スマホアプリも出ている。参考までに測ってみるといいだろう。
ちなみに色は不要だがUVやIRをカットしたい、断熱したいというニーズに応え、無色のフィルムや交換ガラスも販売されている。興味のある人は調べてみてはいかがだろう。