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バブル期の日産「スカイライン」は「都市工学」でナウかった!? 7代目は「HICAS」や「オートスポイラー」など最新技術がてんこ盛り

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

70km/h以上で展開するGTオートスポイラーが話題に

 さらに1986年5月になると、7thスカイラインの人気を再加速させるべく、2ドアスポーツクーペのGTS系が追加で登場している。カタログには後にエルグランドのCMでも登場する岩城滉一が起用されている。

 この2ドアクーペは4ドア系のスカイラインと2615mmのホイールベースは共通、全長もほぼ同じながら全高は4ドアハードトップより20mm低い1365mmの設定(1400mmのセダンに対しては35mm低い)。5名乗車の定員は4ドア系と同じながら、コンパクトなキャビンで引き締まったスタイリングになっており、特別推奨色に指定されていたブラックトーニングツートーンなど選ぶと、なかなかストイックで精悍な2ドアクーペに見えたことは確か。7代目スカイラインのカタログ

 そしてこの2ドアクーペのGTS系に設定された注目のアイテムが“GTオートスポイラー”だった。オートに設定した状態では70km/h以上で展開、50km/h以下になると格納するというこの自動昇降式のチンスポイラーは、カタログに記載のデータによれば、通常のCd=0.32、CLF=0.19、CYM=0.09をCd=0.31、CLF=0.11、CYM=0.07にそれぞれ改善、とくに前輪の揚力を大幅に抑える効果があることがカタログでも説明の記載がある。

 よく見るとカタログには丁寧な“解説”が記されており、Cd=空気抵抗係数は最高速度、燃費に影響、CLF=前輪揚力係数は直進安定性に影響する空力値であり小さい値のほうがよい、CYM=偏揺モーメント係数(偏揺角10度時)は横風安定性に影響する……と書かれている。スカイライン・ファンは、カタログのこういう記述こそ、やわらかな高性能……といったムーディなコピーよりもきっと嬉しかったに違いない。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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