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チューニングのプロが乗るGT-R! 相棒として15年以上走って知るR34の魅力と貴重な経験

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TEXT: 増田髙志  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

愛車でサーキットを走る至福の時間を知る

 菊池代表と相棒との関係が大きく動いたのが13年前。富士スピードウェイを走ったときだ。気心知れた数名と気分転換のつもりで走りに行った。菊池代表は今までにHKSの走行会などで何度も富士スピードウェイは経験している。しかしそれらは仕事での参加だ。自分の愛車で本気で走ったのは生まれて初めての経験だった。

「想像以上に速度域が高く、ストリートとは別世界でした。ライン取りやブレーキのタイミングなど、頭の中でシミュレーションしていましたが、付け焼き刃は役に立ちません。わかっていても身体が思うように反応しないんです」 

 菊池代表はその日、家路を急ぐ車内で、どうすればもっとまともに走れるか、すでに次回の対策に考えを巡らせていた。久しぶりに仕事以外で本気になった。その日を境にクルマへの取り組みが明らかに変わった。

「当時は木曜日の定休日になると富士スピードウェイに行っていました。多いときでは月に3回。こんなに夢中になったことは今まであったかなと思うほどです。富士に走りに行ったメンバーでは自分だけが、こんなにハマってしまいました」

 頻繁にサーキットに繰り出していた菊池代表は、同じようにスポーツ走行にやってくる常連組と自然と顔見知りになる。そんなときは「HKSテクニカルファクトリーの代表・菊池」ではなく「R34乗りの菊池」として接する。これがまた心地いい。仕事を離れて純粋なプライベートの時間をクルマ好きと、それも完全に利害関係なしで楽しめる至福のひととき。もちろん相棒のお陰だ。

パワーアップよりも大切な3項目に気付かせてくれた

「HKSに属していてこんなことを言うのも何ですが、サーキットを楽しむためにはパワーよりも、足とブレーキのフットワーク、それに4点式のベルトを含むシート、さらにラジエータやオイルクーラーといったクーリング系、まずはこの3カ所のグレードアップが必須です」 

 どれが優先かということはない。全部が必要な項目だ。サーキットを本気で走って切実に実感した。とくにGT-Rの場合はこれらを強化しないとまともに走れないと言ってもいいほどだ。

 菊池代表は富士スピードウェイで2分を切るまではパワーアップしないことを自分自身に課した。しかもラジアルで。努力の末、足掛け2年で目標を達成して、ついにターボをGT-SSに変更したと言う。それに伴いインタークーラーやF-CON Vプロなど周辺パーツも充実させて530ps前後のパワーをマークした。

 パワーアップを施したこのR34GT-Rに谷口信輝選手に乗ってもらえるチャンスがあった。何のセットアップもせずにいきなり走り出して呆気なく1分55秒8をマーク。それを基準に菊池代表はプロでない自分に対して1秒2のハンディキャップを与えて、今度は1分57秒を目標タイムに設定することにした。

「ハンディは不本意ですが、何とか10 年前にタイムを出しました。そこでサーキットに一区切りつけたんです。約3年間、相棒と充実した時間が過ごせました。その後、サージング対策でGTIII‒SSに換えて現在の仕様に至っています」 

 共に苦労した相棒はサーキットを離れても特別な存在に変わりない。3年間の貴重な体験は、今でも菊池代表の大切な財産になっている。

HKSテクニカルファクトリー 菊池良雅代表のGT-R PROFILE

■所有車両:BNR34

■年式:1999年式

■乗り始め時期:2005年5月

■現在の総走行距離:21万934km

■現在の車両スペック

エンジン:HKS SSカム264度×2/550ccフューエルインジェクター/大容量フューエルポンプ/GTIII-SSスポーツタービンキット/ステンレスフロントパイプ/スーパーターボマフラー/メタルキャタライザー/スペシャルパイピングキット

冷却系:KOYOラジエータ、HKS Rタイプインタークーラキット/オイルクーラーキット

電子パーツ:HKS F-CON V Pro Ver3.3/EVC7、Do-Luckアテーサコントローラー

足まわり:HKSハイパーマックス マックスIV GT 20スペック、SUNLINEフロントアッパーアーム、NISMOリヤアッパーリンク/リヤロアアーム

駆動系:HKS LAクラッチツイン、R32純正LSD改 

ブレーキ:Bremboブレーキシステム

エクステリア:ワンオフカーボンリップ、リヤアンダーカバー、カーボントランク、Kansai SERVICEエアロボンネット、Plus1Aokiウイングエクステンション

インテリア:momoステアリング、RECAROシート

ホイール:YH ADOVAN Racing TC-4(11J×18+15)

タイヤ:YH ADVAN NEOVA AD08R(265/35R18)

■パワー&トルク:530ps/6,608rpm 60㎏m/5,460rpm

(2020年11月時点)

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