いまなお語り継がれる大ブームを振り返る
趣味や日常的なものなど、さまざまなジャンルでブームが起こる。ヒット作と言ってもいいが、ブームとなるとより大きな社会現象で、クルマで言うと各社から同じジャンルやコンセプトのクルマたちが大挙して登場することを指す。
現在では好みの多様化や、そもそものクルマ離れもあって、大きなブームはあまりないが、それでもSUVブームやコンパクトカーブーム、シャコ上げなど、小さなブームが結構発生している。一方、過去には大ブームとも呼べるものがあった。そこで今回は過去のブームを振り返ってみよう。
スーパーカーブーム
発祥は諸説あるが、起爆剤となったのは漫画「サーキットの狼」だったのは確かだ。ランボルギーニ・カウンタックやミウラ、イオタ、ロータス・ヨーロッパ、フェラーリ512BB、ランチア・ストラトスなど、多くの名車が脚光を浴びた。
それまで、見たことも聞いたこともないスーパーなスポーツカーが存在するということだけでも、ブームになるきっかけとしては十分だった。ただ、ブームが大きくなりすぎて、最後のほうは輸入車であればなんでもスーパーカー的な感じではあった。
日本各地でスーパーカーショーが開催され、ピッカリコニカを持ったちびっ子が押し寄せ、信号待ちのスーパーカーに群がる始末。スーパーカー消しゴムやカード、ジュースの王冠など、グッズも大いに売れたのも注目だ。テレビ番組『対決!スーパーカークイズ』も懐かしい。
ハイソカーブーム
きっかけとなったのは1981年に登場した、トヨタ・ソアラ。クリーンなシルエットと豪華なインテリア。シートはスナックみたいなフカフカのモケットだった。タコメーターはデジタル、エンジンは直6など、どこをとっても1980年代という新時代の幕開けを感じさせるものだった。
オーナーとしてはハタチ前後といったところで、今では信じられないが大学生も多く、これに乗って女子大に女子大生を迎えに行くのも流行った。その後、スーパーホワイトの白いマークIIなどに受け継がれていく。ライバルとしては日産のレパードなどがいたが、ソアラを超えることはできなかった。ちなみにフルエアロでコーディネートするのもハイソカーブームと呼ばれた。
デートカーブーム
スペシャリティカーブームとも呼ばれたが、大学生が女子大生とデートするというのがポイント。車種的には日産シルビアとホンダ・プレリュードが二大巨頭で、ホントにサマーセーターを肩にかけて運転していたものだし、街中では両車でデートしているのを大量に見かけたものだ。
街道レーサーブーム
暴走族スタイルと言ってしまえばそれまでだが、手作り感とアイディア、そして当時のレース車両が付けていた、ワークスフェンダーやオイルクーラーなどのイメージを取り入れたものだった。今は無き、ホリデーオートの「Oh! My街道レーサー」という企画が発端。ベース車はなんでもありだったが、スポーツカーやセダンベースが多かったように思う。裾野が広がると福岡仕様のロングノーズなど、細分化されていった。