美点の両立が難しいインタークーラーの悩ましい機能性
前述した通り、インタークーラーはいかに圧縮した空気を冷やすかが重要になるが、それと抵抗はトレードオフの関係にある。チューブの厚みやフィンのデザインによって熱交換の効率は変わるが、基本的によく冷える=抵抗が多くアクセルレスポンスが落ちる。あまり冷えない=アクセルレスポンスに優れる。という構図になる。
それらはチューブの内部をどれだけ抵抗になるデザインにするかが関わる。抵抗を増やすためチューブ内部にフィンを入れて冷やすこともあるし、チューブ内部をS字にさせて滞留させる時間を稼ぐこともある。レスポンス重視なら、フィンの向きを抵抗が減る方向で入れたり、チューブ内部には何も入れないなどの方法もある。インタークーラーのメーカーによっては、そういった要望を受け付けて内部構成を変えてくれるメーカーもあるのだ。
理想的なインタークーラー選びのポイントとは?
ではどのようなタイプを選ぶべきか? 例えば、元々アクセルレスポンスに優れる純正タービンなら、多少レスポンスを犠牲にしてでも吸気温度を下げてガッツリとブースト圧をかけてパワーアップを狙うのも手だ。逆に、元から優れるレスポンスを損なわないように低抵抗タイプにして、鋭い走りを維持する方法もある。ハイパワーチューンで最高速やドラッグレースのようなパワー至上主義なら、抵抗が増えてもしっかり冷やしたいなど、いくつも選択肢がある。
さらに前置きインタークーラーにするなら、その後方のコンデンサーとラジエーターのことも考えなければならず、あえてフィンピッチを緩くして、走行風が抜けやすくしているメーカーもあるほど。それぞれどういった設計思考なのかをよく理解して選ぶようにしたい。