5代目デビューから3年、先代もお買い得ゾーンに突入
早いもので、現行型の5代目ルノー・ルーテシア(本国名クリオ)がデビューしてから3年が経った。輸入車No.1(2022年6月現在)の低燃費と全速度域でレスポンスのよい走りを愉しめる「E-TECHハイブリッド」仕様もつい先日ラインアップされ、モータースポーツの最高峰であるF1グランプリにて培った知見が活かされたハイブリッド・フレンチ・コンパクトとして、新たなユーザー層を開拓している。
ルーテシアといえば、2代目から4代目までに用意されていたホットモデル「ルノー・スポール(R.S.)」が有名だが、残念ながら5代目にはラインアップされていない。それも時代の流れということなのだろう。
足グルマとして楽しくホットな「R.S.」も選べる
ルーテシアのヒストリーを簡単におさらいすると、こういうことになる。初代は1990年に「シュペール5(サンク)」の後継モデルとしてデビューし、1994年のマイナーチェンジでフェイズ2に移行。1996年にふたたびマイチェンされ、フェイズ3となった。ホットハッチの「クリオ・ウィリアムズ」は1993年にリリースされている。
2代目は1998年に登場。2001年にフェイズ2、2004年にフェイズ3となり、スポーティグレードのルノー・スポールは1999年に初めてラインアップされた。
さらに、後席を取り外してそこに排気量3LのV型6気筒エンジンを横置きに搭載したミッドシップ後輪駆動2シータースポーツカーの「クリオ(ルーテシア)ルノー・スポールV6」が登場したのはこの2代目で、2000年にV6のフェイズ1、2003年に後期型となるフェイズ2が発売された。
3代目が登場したのは2005年のことで、翌年にルノー・スポールを追加設定。2010年に実施されたマイナーチェンジでルノー・スポールを除く全車が5ドアとなった。
4代目は2012年にデビュー。ついに5ドアのみとなり、先祖モデルにあたるルノー5の時代から続いてきた3ドアが廃止されてしまった。2013年にルノー・スポールが発売され、エンジンの排気量が3代目までの2.0Lから1.6Lへとダウンサイジングされた。そして2019年に現行型となる5代目へとバトンタッチしたのだった。
2代目~4代目を10万円台からよりどりみどり
「あぁ~、V6とかあったねぇ~」と懐かしく思っているクルマ好きのためにユーズドカーの価格も記しておくと、世界ラリー選手権などで活躍した「5(サンク)ターボ」の再来といわれた「クリオ(ルーテシア)R.S. V6を買うためには、やはり500万円強の軍資金が必要となる。
しかし、その一方で往年のルノー・スポールは驚くほど安価で流通しており、2~3代目のR.S.を70~80万円程度の予算でゲットすることができ、4代目でも100万円切りの個体が出てきている。3代目はトランスミッションのシンクロが弱点という説もあるが、3ドアのルノー・スポールに乗りたい場合はコレがラストモデルなので、生粋のホットハッチ好きにとっては3代目が一番の狙い目だといえる。
また、素のグレードであれば3代目は10万円ちょっという予算でゲットできたりして、ルーテシアのユーズドカーは100万円以下で選び放題なのであった。
伝説のラリードライバーであるジャン・ラニョッティ氏に憧れた世代としては初代のMT仕様が白眉だが、2代目に「クリオR.S. 2.0 16Vジャン・ラニョッティ」という超絶ステキなグレードが存在しているので、3代目も捨てがたいが筆者のベストバイは2代目だ。