維持費も少なくて済むBMW 02シリーズ
トヨタ コロナ1800からスタートしたという鈴木達郎さん(67歳)。これまでのカーライフは、マツダ コスモ、ランチア ベータ クーペなどを経て、1971年式BMW 2002(以下:マルニ)の丸テールランプ仕様がパートナーとなった。マルニのオーナーとなったのは1981年の話だ。
自動車年鑑的書籍に載っていたマルニにひと目惚れしたのが購入のきっかけ
鈴木さんがマルニと出会ったのは、近所の本屋で売っていた誠文堂新光社発行の自動車年鑑的書籍だった。親に買ってもらって大切にしていた当時中学生の鈴木少年(1カ月のお小遣いが500円だったので800円の本は買えなかったらしい)は、デビューしたばかりの2002の記事を見てひと目惚れ。1600-2の写真だったが「大人になったら絶対買うぞ」と心に決めたのが始まりだったという。
それから14年経った、たまたま友人の中古車屋が仕入れたマルニを80万円で購入。既述したように1981年に大願成就となったのだ。
この2002は同じ会社のマルニ好きが欲しいと言い出し、毎日のように売ってくれとお願いされたことで3年ほどで根負けし、譲ってしまった。その後、しばらくのブランク期間を得て、鈴木さんはふたたび2002を入手。1995年1月に購入したというそのマルニこそが、現在も愛用している1974年式の2002だ。購入のいきさつについて尋ねてみた。
「多いときには月に2~3回お邪魔するなど、
「当時、中古で買った1994年式のE32型740iも所有していましたので写真を撮ったりしましたね。ふたたびマルニに溺れる日々のなかで、20年経っても“ビーエムはビーエムなんだ”と満足しきりの毎日でしたね。2002のメンテナンスなどは、やはりマルニ専門店にお願いしていました。その専門店経由で内装の張り替えやオールペイントをしましたが、いまだに内外装とも20年前のままですがピカピカです。オールペイント後20年ほど経った時点で記念写真を撮ったりもしました。整備については、懇意にしていたマルニ専門店のメカニックが倒れてしまったので、ディーラーのベテランメカさんに委ねています」
現在、2019年7月に買ったBMW 320d(F30型/2018年式)、2015年1月に購入したBMW 2000C(1969年式)も愛用している。そのため、2002については、週1回、メンテも兼ねて10km程度近所を走行する、というのが普段の使い方なのだという。
年間の維持費は40万円弱
そして、旧車イベントへの参加(9月~5月の間で2~3回)、マルニ仲間とのツーリング(年2~3回)も愉しみ、年間のトータル走行距離は7~800kmとのことだ。年間の維持費は平均すると40万円弱らしく、これまでに発生したビッグトラブルは特にないそうだ。とはいえ、こんなことがあったと話してくれた。
「1995年に購入し、四半世紀も経つとさすがにエキゾーストから白煙が……。そこで退職金も入るのでエンジンのオーバーホールを敢行。メカニックに最高100万円は覚悟してね、といわれましたが、エンジンを開けてみたら2番のピストンリングが破損していただけで、ベアリング、コンロッド、ピストン、カム、ロッカーアーム、クランクシャフトはまったく問題なしでした。エンジンのオーバーホールが安く済んだので、ステアリングギヤボックス、キャリパーなどなどを交換。いまでも元気に走っています。経年変化で塗装が剥げたアルミホイールはDIYでリペイントして、今日に至っています。そのような感じなので、自慢のポイントは内装外装とも見た目が結構キレイ! 調子もよく、使いやすいところです」
ちなみに、鈴木さんに1995年から現在までの維持費を全部計算してもらったら、976万300円だった。その内訳は、法定点検が286万円(税金、自賠責、ショートパーツ代、工賃込み)、自動車税が120万700円、任意保険が168万円、全塗装が100万円、内装張替が25万円、エンジンのO/Hが50万円、MTのO/Hが20万円、前後ブレーキ関連が49万円、足まわりが50万円、電気系が29万9600円、オイル代が28万円(フィルター含む)、そのほか部品代が50万円(もう少し使ったかも、とのこと)である。
この金額を算出してもらった際に、じっくりマルニについて語ってもらったので、その熱きコメントをノーカットで記しておこう。