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キャンプ場で「ロッキー&ライズ」が増殖中! アウトドア派も唸るパッケージングを検証する

ダイハツ・ロッキー(右)とトヨタ・ライズ(左)

コンパクトなのに想像以上に荷物を積めるSUV

 トヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーが大ヒットしていることは今さらの説明も不要だろう。トヨタとダイハツ合作のコンパクトクロスオーバーSUVとして2019年11月に発売され、直後の2020年1/2月には乗用車販売台数No.1を獲得。定番、そして勢いに乗っていたトヨタ・カローラ、日産ノートを退けての快挙でもあったのだ(2020年1~6月期で乗用車販売台数1位)。

圧倒的コスパで浮いた資金をギアに突っ込める

 もちろん、空前のSUVブームの最中だから、街乗りクロスオーバーモデルとして、ファッション的に選ぶ人も多いはず。だが、じつはロッキー、ライズともに、これまた空前のアウトドアブームのなか、コロナ禍もあってアウトドア人口が急激に増えたこともあり、アウトドア派からも大いなる人気を獲得しているのである。それもまた、ロッキー、ライズ人気を後押ししていることは間違いないところだろう。実際、アウトドアフィールドで、大型SUVやボックス型ミニバンとともに、ロッキー、ライズを見かける機会が増えている。

 では、ロッキーやライズが短期間で大ヒットした理由のひとつ、アウトドア派へのアピールはどんなカタチで実現したのだろうか。その答えはまず、車両価格にあるはずだ。ライズの場合、ガソリン車の実質的ベースグレードのガソリン車のG 2WDで185.7万円。トヨタ自慢のハイブリッドでもGで216.3万円。意外なことに、よりミニRAV4的エクステリアデザインを持つロッキーも1.2Lのガソリン車2WDで166.7万円から。動力性能に余裕ある1Lターボ4WDで194.5万円、ハイブリッド2WDでも211.6万円からという、リーズナブルな価格設定なのだ。

 アウトドアやキャンプを楽しむ人は、コロナ禍以降に激増しているが、アウトドアやキャンプ入門者となれば、アウトドア、キャンプ用品をイチから揃えなければならないわけで、そこにお金がかかる。そしてアウトドアに乗っていくクルマを、これまたイチから探すとなれば、やはり高額車は避けたいところ。よって、200万円前後で新車が手に入るロッキー、ライズに白羽の矢がたつことになるというわけだろう。

見た目以上に余裕たっぷりなラゲッジスペース

 しかも、アウトドア、キャンプに乗っていくべきクルマには、ギアを満載できるラゲッジスペースの積載力が求められる。安い・小さく扱いやすい……だけではアウトドア派を唸らせることはできない。だが、ロッキー&ライズはその点でも合格なのである。5ナンバーサイズのコンパクトクロスオーバーSUVでどうしてそれを可能にしたのか? その秘密は、トヨタRAV4同様の、後席居住性よりラゲッジスペースを重視した、クロカン流のパッケージングにあると考えていい。

 ロッキー&ライズは前席こそゆったりとしているが、後席は身長172cmの筆者基準で言えば、頭上に100mm、膝まわりに120mmのスペースしかない。ダイハツのアウトドアに似合う軽自動車のタフトを例に挙げれば、後席頭上に145mm、膝まわりに210mmもの余裕があるのに、である(参考までにスズキ・ハスラーは頭上に160mm、膝まわりに最大300mm)。

 しかし、ロッキー、ライズはおもにカップルでの乗車を前提に、後席の居住性(広さ)よりラゲッジルームの容量、使い勝手を重視。実際、ラゲッジルームのフロアは奥行き755mm、幅1000mm、高さ740~865mmと、ひとクラス上の容量や広さを確保。さらに床下にもかなり実用的なサブトランクを備え(ガソリン2WDで80L、HVハイブリッド63L、4WDが42L)、ふたりのアウトドアやキャンプの荷物、汚れものをすっきり、余裕で積み込めることになる。

 もっと細かいことを言えば、ラゲッジルームの開口部地上高は700mmとSUVとしては低めで、なおかつ開口部に段差がなく、重い荷物の出し入れも楽々。カップル乗車時であれば、後席を格納することでラゲッジルームのフロア長は1330mm(やや角度あり)まで拡大できるため、荷物が多めのアウトドア派にも対応してくれる懐の深さを備えているのである。

ハイブリッド仕様ならAC100V/1500Wコンセントが大活躍

 もちろんロッキー、ライズは走行性能もこのクラスとして合格点だ。ライズのe-SMARTハイブリッドのZグレードを走らせれば、出足からモーターによる瞬時のトルクの立ち上がり、モーター駆動ならではのスムースな加速感を味わうことができる。前後して試乗した1.2L NAエンジンはもちろん、従来からある1Lターボエンジンに対しても、力強く瞬発力のある動力性能を発揮。e-SMARTハイブリッドモデルにS-PDLと呼ばれるワンペダルで回生による減速が可能なスマートペダル、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が標準装備されたのも朗報で(つまり足踏み式パーキングブレーキがなく運転席の足元すっきり)、市街地から高速道路、山道までスイスイ、快適に走らせることができる。

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 e-SMARTハイブリッドモデルは、電動車ならではの燃費性能の良さはもちろん、コネクテッド機能、とくにロッキー&ライズのハイブリッドモデルにオプションで用意されるAC100V/1500Wコンセントは、アウトドア、キャンプで大活躍必至(もちろん災害時にも)。そうしたアウトドアにも強い商品力、パッケージング、装備の充実度によって大ヒットし、アウトドア派に支持されている理由と考えられる。

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